野球の祭典『WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)』でみごと14年ぶりに優勝を果たした侍ジャパン。驚愕すべきは、地上波放送の視聴率だ。サッカーW杯を凌ぐ数字を叩き出したのだ。
「大谷翔平投手が投打二刀流で出場した3月9日の中国戦が世帯41.9%・個人27.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)。ダルビッシュ有投手が先発した10日の韓国戦が世帯44.4%、個人28.9%。WBCのデビュー戦となった佐々木朗希投手が先発の11日のチェコ戦は世帯43.1%、個人28.7%。プールBの全勝を決めた山本由伸投手が先発の12日のオーストラリア戦も世帯43.2%、個人28.7%。大谷翔平投手が先発を務めた16日の準々決勝イタリア戦も世帯48.0%、個人31.2%と絶好調の視聴率だった。スポンサーは大満足です」(大手広告代理店幹部)
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それでも中継し続ける意味は…
しかし、この視聴率結果を受けテレビ界がザワついている。今回、WBCを地上波独占中継したのはTBSとテレビ朝日の2局のみ。さぞや両局とも喜んでいるのかと思いきや、両局の上層部はうれしさ半分だという。その理由は、この後の放映権料の清算だ。
「制作費は間違いなく赤字になるからです。それも今回のWBC放映権料は約30億円といわれており、2017年に行われた第4回大会の10億円から、一気に3倍になった計算です。理由は、大手のFOX Sportが全米での独占放映権を獲得したことなどが挙げられます」(大手代理店関係者)
一部からはこんな声も。
「30億円の放映権料は確かに高い。高視聴率も一過性のもの。しかし、局のステーションイメージは大幅にアップする。ついには優勝していますから、これはお金では買えません。特にテレ朝はサッカーW杯など多くの冠スポーツを中継し、赤字になっても続けている。TBSもテレ朝方式を見習っているんです。制作費は赤字でも…というジャッジですね」(制作関係者)
果たして、このジャッジは吉と出るか、それとも…。
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