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『WBC』大活躍のヌートバーを巨人が獲得!? 侍J優勝で“日米球界合体”構想に現実味

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(画像)Prostock-studio/Shutterstock

侍ジャパン14年ぶり優勝の活躍で、メジャーリーグの傘下に日本プロ野球を組み入れる計画が浮上した。ア、ナ両リーグに日本のセ、パを加えて「東、中、日と日本地区」の4ディビジョンに再編成。懸案だった日米トレードも可能となり、巨人のヌートバー獲得に光明が…。

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侍ジャパンのリードオフマンとしてWBCの快進撃に貢献した〝球界のアイルトン・セナ〟ことラーズ・ヌートバー外野手(25、カージナルス)が、前例のない「日米トレード」で巨人移籍の可能性が浮上! 東京ドームに今後も「ヌーイング」が響き渡るのか!?

アメリカ在住のスポーツジャーナリストが解説する。

「現状では、日本のプロ野球(NPB)と米大リーグ(MLB)は全くの別組織。両組織には野球協約がなく、日米間のトレードは認められていない。熱望する巨人がいくらカネを積んでも、メジャー経験が2年しかないヌートバーの獲得は不可能だった。しかし、WBCで侍ジャパンの評価が上がったため、MLBの傘下に収める形でNPBとの合体構想が浮上してきた。実現すれば、海をまたいだトレードが可能になる」

MLBは昨年12月に米・サンディエゴで開いたウインターミーティング(30チームのオーナー、監督、GMが出席)で、NPBから申し出があった「公式戦での日米交流戦」新設を協議した。

その大きな流れの中でギアをもう一段引き上げ、「NPBを新たなディビジョン(地区)に加える構想」が浮上したのだ。背景には、大谷翔平やダルビッシュ有、吉田正尚らを輩出した日本野球のポテンシャルがあり、山本由伸、佐々木朗希、村上宗隆など予備軍が目白押しなのも大きい。

具体的な“日米合体”構想

「そこで、この際、日本のプロ野球をMLBの傘下に収めてはどうかと。現在はア・リーグ、ナ・リーグともに東、中、西各地区でリーグ優勝を争い、ワイルドカード(勝率上位の2球団)を加えてワールドシリーズを戦っている。これを見直してワイルドカードの位置に日本のセ、パを組み込んで日本地区とし、4ディビジョンに再編する。NPB側も大筋で賛同していると聞く」(前出・ジャーナリスト)

うるさがたのオーナーが多い日本側に拒否反応が少ないのは、今のプロ野球の形態は継続されるからだ。その上、悲願のワールドシリーズ出場という道が開け、一元化すれば日米球団間のトレードが可能となる。

公式戦143試合のうち、NPB球団とメジャー球団が交流するのは各チーム30試合程度。日本がセ、パ12球団、アメリカがア、ナ30球団と数が多いため、全チームと交流するのは不可能。そこで1年ごとに東、中、西いずれかの地区5チームとホーム&アウエーで対戦。相手は3年周期で変わるが、地区優勝が基本だから日米とも有利、不利は生じない。

東京大学からロッテに入団し、ソフトバンクホークス取締役を務めた桜美林大学教授の小林至氏は3月14日、テレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』に出演し、「MLBの1つのディビジョンに日本が加わる」可能性について発言。「日本のプロ野球球団が2カ月アメリカに行って、大リーグの球団が2週間ずつ日本に来ると成立しちゃうんです」と話した。おそらく、「日米合体構想」の情報が耳に入っているのだろう。

球界首脳によれば、これらのシミュレーションは数年前から日米間で進められていたそうだが、NPBが望むのは、MLB球団との公式戦の日米交流戦。丸ごと合体には及び腰だったという。

それが急転したのは、ヌートバーが侍ジャパンで大旋風を巻き起こし、大谷とともに日本人をとりこにしたからだ。ヌートバーの年俸はおよそ90万ドル(約1億2000万円)。実力と人気を考えれば、日本に来ている外国人選手に比べて格段に安い。

双方に大きなメリットが…

しかも、母の久美子さんは埼玉県東松山市出身の日本人。日本名は「榎田達治」で、愛称が「たっちゃん」。常に全力でプレーし、体を張ってチームを引っ張っていく姿は、〝元祖たっちゃん〟巨人・原辰徳監督にとって喉から手が出るほど手に入れたい助っ人だ。

「父親はオランダ系アメリカ人で日本語は話せませんが、全米屈指の名門校・南カリフォルニア大学の出身で頭が切れる。マスクも俳優のウエンツ瑛士にそっくりで、ハリウッドに連れて行けばムービースターになれる。彼を元F-1の世界チャンピオンで日本をこよなく愛した〝音速の貴公子〟故アイルトン・セナとダブらせるファンも多い。坂本勇人のスキャンダル報道で球団のイメージを落とした巨人としては、純真なセナのイメージで刷新を期待している」(巨人担当記者)

これまでメジャーリーガーが日本球団でプレーするには、大きな壁があった。所属球団から戦力外通告を受け、その上で他29球団を対象にウエーバーにかけ、どこの球団も獲得を放棄した場合に限られていたのだ。14日、電撃的に横浜DeNA入りが決まった前ドジャースのトレバー・バウアー投手のパターンだ。

しかし、ヌートバーの場合は、昨季、カージナルスのナ・リーグ中地区優勝の原動力になったばかり。こちらは現実的ではない。

一方、日本人選手がメジャーに転身するには、海外FA権を取得するか所属球団の了解を得てポスティング・システムを活用するしか方法がなかった。だが、MLBの傘下に入れば、金銭も含めた交換トレードが可能となり〝第3のルート〟が加わる。そうなれば、日本人若手選手の早期メジャー挑戦の道が開け、日本復帰も容易になることから、所属球団も早期に送り出し易くなる。日本に来た外国人選手の事実上のレンタル移籍も予想される。

日米間でトレードが合法化されてヌートバーが巨人へ移籍する運びとなれば、巨人はとびっきりのスターが手に入る。本人も優にCMを含めた数億円を稼げて、双方にメリットがある。

MLB傘下に入ることに消極的だった巨人が手のひらを返したのは、ヌートバー獲得を模索した結果、唯一の「抜け道」と判断したから。世紀の二刀流スター大谷を譲り受けたMLBが恩を返す手はずを整えている。

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