大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)も、いよいよ終盤戦。綱取りを目指した大関貴景勝が、左ひざを痛めて7日目から休場、ついに横綱、大関が1人もいなくなった。昭和以降、初めての異常事態だ。
そのため優勝争いは混とんとしているが、そんな中で好調さが目立っていのが、昨年7月に部屋を継承してまだ約8カ月、元横綱白鵬の宮城野親方が率いる宮城野部屋勢だ。
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新入幕の身長204センチの北青鵬を筆頭に、新十両の落合、さらに幕下の川副、向中野らが連日ハツラツとした相撲で、なにわファンから大きな拍手を浴びているのだ。
「この躍進の原動力は、1場所で十両に駆け上がった落合効果ですよ。残念ながら2日目にプロ初黒星を喫し、デビューからの連勝は8でストップしてしまいましたが、そのときに〝ただ負けただけ〟と吐いたセリフが、また大きな話題になっています。この落合に煽られるように北青鵬も初日から4連勝し、落合より2場所早くデビューした去年の学生横綱の川副も前半、1敗はしたが、4連勝で勝ち越し。若手に負けじと最近低迷していた十両の炎鵬も元気。1年後には宮城野印の幕内力士がゴロゴロ、という協会内のウワサも、あながちウソでないような勢いです」(大相撲担当記者)
現役時代からのスカウト力
躍進の秘密は何か。
史上最多45回優勝の実績を生かした宮城野親方の巧みな指導力もあるが、それ以外に大きな要因がある。
「知名度を生かしたスカウト力ですよ。宮城野親方は現役時代からスカウトに熱心で、さまざまな方面にスカウト網を築いている。例えば、高校相撲の名門、鳥取城北高や日大など…。宮城野親方が主催している白鵬杯という少年相撲大会もその一つで、スカウト界では宮城野一強といわれています」(某親方)
ただし、一つの部屋に有力力士が集中すれば、若貴が君臨したかつての二子山部屋のように番付上位を占拠し、好取組が減って相撲人気が低迷する弊害も生む。
宮城野親方が金の卵を独占しすぎて、逆に足を引っ張らなければいいが…。
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