芸能

『令和の“応演歌”』田中あいみ~独自の演歌歌手・女性像を目指して(後編)

田中あいみ
田中あいみ (C)週刊実話Web

――中編で師匠の細川たかしさんに初めて会ったときは、金髪だったとのことですが、現在のように黒髪に戻したのには何か理由があるんですか?

田中 デビューシングル『孤独の歌姫(シンガー)』のジャケットが革ジャンに革のパンツ、後ろにはハーレーダビッドソンのバイク、しかも、モノクロ写真だったんです。それだけでもダークなイメージなのに、金髪だとやさぐれ過ぎなイメージじゃないかということで黒髪に戻したんです。でも、高校を卒業してからずっと金髪だった私にとってはショックでしたね。


【関連】『令和の“応演歌”』田中あいみ~グランプリ受賞後、金髪ギャルのまま細川たかし師匠の事務所へ(中編) ほか

――2作目の『大阪ロンリネス』もパンツルックです。今日はミニスカートですね。

田中 2作目の途中からミニスカートに変えたんです。細川たかし師匠に相談すると、「足なんか出したらあかん」とダメ出しされるかと思ったんですが、〝もっと出していいよ〟みたいなことをおっしゃっていただき、「嘘」(笑)みたいな感じでしたね。

――田中さんはハスキーかつ、高音が響くソウルフルボイスが特徴ですよね。その独特の声が自分の武器だと認識したのはいつ頃ですか?

田中 小さい頃から声が低かったので、ものすごくコンプレックスでした。大会で優勝しても運がいいだけと思っていたんです。でもデビューが決まると「めちゃいい声やな」と言っていただき、「そうなんや。いいんや」と思い始めました。

独自の女性像を目指し、面白い存在へ

――将来の目標が「スーパースター」なんですよね。具体的にはどんな歌手を目指しているんですか?

田中 オーディションの際、5組ずつの審査で各組5人だったんです。私は5組目で、審査員の方々が出場者に「どんな歌手になりたいですか?」と質問していたんですね。割と、他の出場者の皆さんは似たような答えが多かったんです。それを見ながら関西人としてここで面白いことを言って印象付けようと考えて、とっさに「スーパースターになりたいです」と答えました。

というのも、もともとレディー・ガガさんやMISIAさんのような独自の道を歩む女性に憧れているんです。東京オリンピックの開会式でMISIAさんが国歌斉唱をされたじゃないですか。日本人として誇らしかったですし、いつか私もああいった舞台に立ち、皆さんに納得してもらえる歌手になりたいんです。

――特に憧れている歌手の方はいますか?

田中 いろんな演歌歌手の方と共演させていただく機会もあるのですが、やはり独自の女性像を目指しているので、それぞれの方から良いところをマネして、取り入れようとしています。

――今後、挑戦したいことは?

田中 演歌歌手というと、まだまだ固定観念があると思うんです。少しでもその固定観念を取り払いつつ、演歌歌手でもこんなことができるんだという面白い存在になれたらと思いますね。

――バラエティー番組などにも出演されるとか?

田中 出たいですね。今年はいろいろなバラエティーにも挑戦していきたいです。今一番会いたいのは、お笑いコンビ『ぽんぽこ』の高木ひとみ○(まる)さんです。三つ編みの髪型とオーバーオールがトレードマークで、声に特徴がある方です。ぜひお会いしてみたいですね。直接お会いして、そのお声を聞いてみたいです。

(構成・本多カツヒロ 写真・小田駿一)

たなか・あいみ
2000年7月26日生まれ、京都市出身。現役女子大生。2019年日本クラウン演歌・歌謡曲新人オーディションでグランプリを受賞。2021年11月『孤独の歌姫(シンガー)』でデビュー。2022年9月ファーストアルバム『孤独の歌姫』をリリース。

あわせて読みたい