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『アラスジケマンガイ&ヤエヤマスダレ』沖縄県石垣市/名蔵アンパル産~日本全国☆釣り行脚

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

楽しかった潮干狩り
41年2組 みつはしまさひこ

ぼくは貝が大好きです。編集部担当のお姉さんから「貝はやめて下さい」と、いつも厳しく言われます。でも、大好きなのでやめられません。あと、女性から「やめて下さい」と言われるのも、ぼくは大好きです。


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春といえば潮干狩りです。寒いのがイヤなので暖かい石垣島に来ています。石垣島といえばシュノーケリングやマングローブのカヤックなどが人気のアクティビティです。でも、ぼくは潮干狩りをやります。貝は採るのも、食べるのも、大好きなのです。

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web
日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

海に囲まれた石垣島では、砂浜の各所で潮干狩りが楽しめます。春には「サニズ(浜下り)」という女性の伝統行事があって、家族で潮干狩りを楽しんだりもします。今回は観光地としても有名な名蔵アンパルという、干潟に近い海岸でやることにしました。

浜に下りると潮はあまり引いておりません。本来、潮干狩りは大潮の干潮にやるものです。でも、今日は小潮。潮干狩りには不向きな潮回りです。でも、衝動が抑えられないのでやります。いっぱい採れなくてもいいのです。少しでも欲求が満たされれば、ぼくは満足なのです。

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

潮があまり引いていないこともあって、広い海岸には誰もいません。名蔵川の河口に広がる白砂の浜、初夏を思わせる爽やかで柔らかい風。この情景の中で潮干狩りをやれると思うと、ぼくは先っちょが少し濡れてしまいました。

早速、波打ち際まで行って、砂を掘っていきます。しばらく掘っても貝は出てきません。本当はもう少し沖がポイントなのでしょう。でも、潮干狩りも釣りも〝いると信じる心〟が大切です。

夢中で掘り進めると…

ヤエヤマスダレ 日本全国☆釣り行脚
ヤエヤマスダレ 日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

しばらく夢中で掘るうちにポロッと貝が出ました。ヤエヤマスダレです。名前のとおり石垣島や西表島など、八重山諸島に多いアサリに似ている貝です。ぼくは嬉しくなって、さらに夢中で掘り進めます。すると、今度はアラスジケマンガイがポロンと出てきたので、もっと嬉しくなってしまいました。

アラスジケマンガイ 日本全国☆釣り行脚
アラスジケマンガイ 日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

この貝は沖縄ではよく見られます。見た目も南国っぽく綺麗で、貝殻に厚みがあって重たいので「採った感」があります。ケマンガイがポロンと出てきたときの感触は、他の貝類とは違った魅力があります。でも、不思議なのはケマンガイなのに毛は生えていないということです。ぼくは、どちらかというと毛深いのが好きなので「毛が生えていたらもっといいのに」と思いました。でも、毛が生えていたら食べづらいからこれでいいのか、とも思いました。

潮があまり引いていないので沖には行けませんが、夢中に掘るうちにポロリポロリと、ヤエヤマスダレやアラスジケマンガイが出てきます。「小さいのは逃がしてあげなさい」と、お父さんによく言われていたことを思い出し、大きめの物だけをバケツに入れていきます。そんなにたくさんは採れませんが、少しずつバケツに貝が増えていくのも、また充実感があるものです。

爽やかな風味に舌鼓

夢中で楽しむうちに、少しずつ潮が上げ始めました。ぼくは、まだまだやりたかったのですが、あまり頑張って腰を痛めてしまっても、夜の遊びに支障が出そうなので、そろそろやめることにします。でも、次の日からしばらくは階段を下りるのすらキツかったです。

ぼくはスパゲティが大好きなので、持って帰った貝はボンゴレビアンコにします。ボンゴレビアンコはアサリで作るのが普通です。今回はアラスジケマンガイなので、ボンゴレケマンコになります。本場ではボンゴレ→貝、ビアンコ→白、という意味だそうですが、そんなことはお構いなしです。

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

できあがったスパゲティ。南国らしい貝殻がことさらに美しく、アサリ以上に映えます。食べてみるとアサリほど濃厚ではありませんが、二枚貝の風味はしっかりと感じられてとても美味しいです。むしろ、あっさりした風味は、白砂の爽やかな石垣の浜を彷彿とさせる味わいで、石垣島の地ビールも進みます。

アラスジケマンガイとヤエヤマスダレ。そして南の島のジャングルみたいなマングローブやアンパル、白砂の美しい海岸。内地の潮干狩りとはまた違った潮干狩りが楽しめて、とてもいい思い出になりました。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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