サバが記録的な不漁で、水揚げ量が前年の半分近くに落ち込み〝サバ缶ショック〟が起きている。
「サバの漁獲量が減っているうえ、水揚げされたサバが小さく脂の乗りも悪い。水産加工大手の極洋は2月3日の出荷分からサバ水煮やサバ味付など、サバ缶28品目の販売を一時停止した。マルハニチロはサバ缶のほぼすべてを4月1日納品分から11〜23%値上げするなどサバ缶ショックが起きています」(漁業ライター)
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サバはDHAやEPAに代表されるオメガ3系多価不飽和脂肪酸を豊富に含んでおり、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす半面、善玉コレステロールを増やす働きがある。サバを食べることで病気予防や改善が期待され、肌の新陳代謝が促進されることから美肌効果も注目されている。
サバ不漁がマグロにも影響
サバの好漁場がある青森県八戸市には、市独自の水産物ブランド認定制度がある。2月7日に開かれた審査を担う戦略会議で、市の補助事業を活用して開発されたサバ加工食品の試食が行われた。八戸漁港の記録的な不漁を背景に、出品した市内の2社とも原料の確保に難航して同漁港産サバを主原料とする条件を満たせず認証には至らなかった。
「八戸漁港ではここ数年、サバの水揚げ量が激減している。これは海水温の上昇が指摘されます。マサバの大きな群れは秋ごろ、北から冷たい海流に乗って八戸周辺にやって来る。これまではこうした沿岸まで来るサバを水揚げしていた。しかしここ数年、八戸周辺の海水温が上昇。サバは冷たい水を好みますからね。暖かくなった八戸沖に近づかないんだと思います」(漁業情報センター関係者)
サバの不漁は、マグロ漁にまで影響を及ばしている。
「新春恒例の初競りで有名な大間マグロは餌になるサバやイカが不漁で、太平洋まで出て取っている。大間漁港で水揚げされたマグロなら大間沖でなくとも『大間まぐろ』のステッカーを貼っていることが問題になりましたが、これもサバの記録的な不漁が原因です」(豊洲市場の水産仲卸業者)
サバ缶ショックは、しばらく収まりそうにない。
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