『マジック・マイク　ラストダンス』 監督／スティーブン・ソダーバーグ 出演／チャニング・テイタム、サルマ・ハエック 配給／ワーナー・ブラザース映画

刺激的な男性ストリッパーが描かれる人気シリーズ、『マジック・マイク』。以前は映画の公開記念にクラブでイベントをやったり、男性ストリッパーと絡んだりして大いに盛り上がっていましたが、今の世の中、そんなこともできません。でも、マイクはまだ踊ってます！　超セクシー＆激アツです。えっ!?　〝女性向けの映画だろ〟って？　いえいえ、この作品には女性のハートを掴む男性の気遣いがいっぱい詰まってるので、モテたいと思う人にとっては損にはならないはず。それに、頑張る人を見ると誰だって元気になりますからね。

【関連】LiLiCo☆肉食シネマ～『グッドバイ、バッドマガジンズ』／全国順次公開中 ほか私の大好きなチャニング・テイタム演じるマイク。そう、シリーズを通してずっと彼が熱演しています。とにかく筋肉はすごいし、本格的なダンスが魅力。ただ、今作では冒頭からどんちゃん騒ぎになるかと思いきや、とても落ち着いたオープニング。それは、マイクの現在を表現していて、プライベートパーティーなどで冴えないバーテンダーとして働いています。

乗り気でなかったダンスから…

この日は、お色気たっぷりのサルマ・ハエック演じる資産家・マックスのホームパーティー。ドリンクを作りながら笑顔を振りまくマイクはパーティー終了後に、マックスにプライベートでのダンスをお願いされます。最初こそ乗り気ではなかったものの、金額に目が眩んで応じるマイク。しかし、この後の2人の時間が最高にエロチック。服は着ているものの、性行為と紙一重（笑）。一番興奮したのは、懸垂しながら脱ぐシーン。いやいや、ここは笑っていいかと思います。

結局2人は、このプライベートダンスによって親密な関係になります。サルマの実際の年齢は56歳。つまり、私の世代の女性にはたまらなく夢の詰まった映画ということ。年上に気遣いできる男性って〝デキる男〟として意識します。劇中でも、女性の夢を一生懸命サポートするマイクが最高にカッコ良く見えます。

そして物語は、2人力を合わせて、同じ夢を持った人たちを集めショーを作り上げる。最後に披露するダンスシーンは爽快感に溢れていて、激しいというよりエロチックで美しい。

どんな夢であっても、良い仲間に出会ってアイデアを出し合い、周りが本当に欲しがってるものを読み取る。その才能をマイクは持ち合わせています。年齢を重ねると恋をするパワーがなくなると言われますが、一晩の興奮のステージで元気になるのは、人生にとって大事なこと。お疲れ気味の人に、ぜひとも見てもらいたいです！

LiLiCo 映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。