思い出の地が跡形もなく、改修されてしまう…。
競泳・コナミオープン最終日(2月19日)、池江璃花子が女子100メートル自由形で優勝を決めた。
池江はレース後「ありがとうと思いながら泳いだ」と感慨深げなコメントを漏らしたが、その理由は会場となった『東京辰巳国際水泳場』が今年4月に改修工事に入りスケートリンクとして生まれ変わるため。競泳大会の会場となるのは、この日が最後だったからだ。
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「『辰巳水泳場』は東京五輪の競技会場となりましたが、都は五輪に合わせてこれとは別に『東京アクアティクスセンター』も新設した。一方、五輪招致が決まった頃から、『都内にスケートリンクを増やしたい』『辰巳水泳場を改造したらどうか』との声が出ていたんです。つまり、新しい競泳施設の建設が決まったときから、関係者らは辰巳の水泳場がなくなると知らされたようなものでした」(スポーツ紙記者)
都内では練習できるリンクがない
もっとも、同水泳場がスケートリンクに改修される背景には、フィギュアスケート界が抱える悲惨な事情も反映されているという。
「スケート連盟に登録されている選手数が最も多い都道府県は、東京都です。浅田真央や羽生結弦の活躍を受けてそれまでの2倍以上、1500人以上が登録されるまでになりました。だが、都の登録選手は練習環境が整っておらず成績がパッとしない。愛知には中京大、大阪には関西大という一大拠点があるが、曲をかけたプログラム練習がしやすいリンクの貸し切りは、東京ではほぼできなかったのです」(スポーツライター・飯山満氏)
つまりフィギュアスケートの「西高東低」を解消するために、池江たちは泣かされるということか…。今後、『辰巳水泳場』は〝東京フィギュアのメッカ〟となるが、関係者らの話を総合すると、こけら落としは浅田か羽生のアイスショーになる可能性も高いようだ。
「池江の活躍で競泳に興味を持ったファンも増えていたんですが…」(前出・スポーツ紙記者)
〝競泳の聖地〟は惜しまれながらも形を変え、池江から浅田・羽生にバトンタッチされるのである。
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