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ボクシングチャンピオンの具志堅用高さん~島田洋七『お笑い“がばい”交遊録』

島田洋七
島田洋七 (C)週刊実話Web 

今でもバラエティー番組などで活躍している元WBA世界ライトフライ級チャンピオンの具志堅用高さんと、何度かご一緒したことがあるんです。

最初は、仲良くしてもらっていた元プロ野球選手の山本浩二さんと六本木の『エル・アミーゴ』という店で会いましたね。その店は男の従業員ばかりで、音楽が生演奏で流れているんです。上品なお客さんが多い店でした。山本さんと待ち合わせると、現れたのが具志堅さんでした。恐らく山本さんと友達だったんでしょう。初めて間近で見る具志堅さんに「チャンピオンや」と感動しましたね。

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2回目も同じ店でした。今度はたけしと訪れると、またも具志堅さんがいた。たけしはボクシング好きだから、ボクシング話に花が咲いていましたね。日本はアメリカに比べるとファイトマネーが安いとかね。

中でも、「相手が右を3発出したら疲れて、次は逆の手を出すからそこを狙う」と言っていたことを覚えています。ものすごいスピードで試合が展開する中で、瞬間・瞬間にそんなことを考えているなんて頭が良いんだなと思いましたね。

他にも、「個人スポーツだから孤独」とも漏らしていましたよ。「どこまでトレーニングして、自分を追い込むかも自分次第なんだよね」と。いくらトレーナーがいても野球やサッカーなどのチームスポーツとは違うんでしょう。それでも世界王座を13回も防衛しているんですからすごい人ですよ。そのときも、ボクシングの実演をしてくれたんですけど、引退したとはいえキレはすごかったですよ。

司会者泣かせだけどおもしろい

一通りのボクシング話を終え、俺とたけしは寿司屋へ向かったんです。2時間して寿司屋から出ると、またも具志堅さんに遭遇した。

「タケちゃん、洋七くん、久しぶり!」

「いや、さっき会いましたやん」

「また上手いこと言って」

面白い人だとは聞いてましたけど、ビックリして「お久しぶりです」と合わせるしかないでしょ。「ところでこれからどこへ行くんですか?」と尋ねると、「友達と待ち合わせしているの。ここから1〜2分の場所だから歩いて行くんだよ」。もう一度、具志堅さんに「どこまでですか?」と聞くと「銀座」。六本木から銀座までタクシーで15分はかかりますよ。それを歩いて1〜2分…。それ以上は何も聞きませんでした。

3回目に会ったのは、テレビのクイズ番組でした。司会者が「四文字熟語を知っている人?」と出題すると、具志堅さんが手を挙げて「四文字熟女!」。困った司会者が「ですから、四文字熟語です」と遮ると、「ずっと四文字熟語を四文字熟女だと思っていました」と具志堅さん。仕切り直し、司会者がもう一度「四文字熟語を知っている人?」と出題し直すと、またも具志堅さんが手を挙げ、今度は「焼肉定食!」。スタジオ中、大爆笑でしたよ。

六本木やクイズ番組で会ったときも、明るくてめちゃくちゃ面白い人なんですよ。今でもバラエティー番組で人気者でしょ。あの人は、面白いと分かってやっていると思いますね。それくらい頭の良い人ですよ。

ボクサーじゃなくても、コメディアンで成功していたかもしれないですね。

島田洋七
1950年広島県生まれ。漫才コンビ『B&B』として80年代の漫才ブームの先駆者となる。著書『佐賀のがばいばあちゃん』は国内販売でシリーズ1000万部超。現在はタレントとしての活動の傍ら、講演・執筆活動にも精力的に取り組んでいる。

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