上野動物園で生まれたパンダのシャンシャンが2月21日に中国に返還され、日本中に悲しみが広がっている。
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翌22日にも、和歌山県の「アドベンチャーワールド」で飼育され、16頭の父親になったレジェンドパパ・エイメイと、その双子の娘・オウヒンとトウヒンの3頭が返還されたことで、改めて〝パンダ外交〟の重要性を考えさせられた2日間だった。
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「最初に日本にやってきた雌雄一対のカンカンとランランは、田中角栄が日中国交正常化を果たしたことで〝贈り物〟として来日し、上野動物園で一生を過ごしました。このパンダの初来日から50年以上が経ち、現在は繁殖研究用の〝レンタル〟というスタイルに変わっていますが、中国がパンダを〝重要な外交カード〟と認識していることは変わりありません」(国際ジャーナリスト)
「残りのパンダを全部戻せ」
中国からパンダをレンタルしている国は18カ国。これまでは日本の13頭が最多だったが、今回の返還で9頭となり、アメリカと並んだ。
「フィンランドの動物園では、1ペアで年間50万から100万ドルかかるパンダのレンタル費用が払えず、2032年の契約満了を待たずに、すぐにでも返還を検討しているそうです。もともと諸外国との〝友好の証〟という名目は表向きの理由で『パンダで金儲けをしている』との批判もある中国ですが、実際、平和的な外交につながる役割を担ってきたのも事実です」(同・ジャーナリスト)
しかし、中国は〝偵察気球〟問題でアメリカなどと緊張感が高まっている。
「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻以来、西側諸国と東側諸国の分断が進んでいますからね。数年中には〝台湾有事〟も起こりかねない。パンダという可愛い外交官が、どんどん西側諸国から返還されていくことにすら、一抹の不安を感じます」(同・ジャーナリスト)
中国が急に「残りのパンダを全部戻せ」と言ってこないことを祈るばかりだ。
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