2月20日にウクライナのキーウを電撃訪問した米・バイデン大統領が、中国の習近平国家主席とも「協議する意向」を明らかにしている。
米国の領空に飛来した〝謎の偵察気球〟の問題で悪化した米中関係の修復を試みるつもりのようだ。
「アメリカ軍によって撃ち落とされた気球には、データを傍受するための複数のアンテナがついていたことが分かっています。間違いなく〝スパイ目的〟で飛ばされたものですが、中国当局はこれを否定。気象観測用の気球が、風に流されたと主張し続けています」(国際ジャーナリスト)
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中国はこれまで偵察気球を5大陸40ヵ国以上で飛行させており、日本上空でも何度か確認されている。
さらに、1月下旬にはハワイの最高峰マウナケア山頂で、「緑色のレーザー」が宇宙から照射されているのを国立天文台が確認し、騒ぎが拡大しているのだ。
レーザー“軍事転用”の恐怖
「縦に断続的に照射されていたレーザーも、中国の大気環境観測衛星『Daqi―1』から発射されたものとみられています。中国側の主張では『海面の高さや氷の変化を観測するために照射した』ことになっていますが、これもレーザー兵器に〝軍事転用〟される恐れがある。近年、中国の宇宙開発は急速に進んでいますから、看過できない問題なんです」(同・ジャーナリスト)
バイデン大統領には「米中対立をこれ以上悪化させたくない」という思惑があるようだが、協議に応じれば中国をつけ上がらせるだけだとの指摘もある。
「中国側は、『偵察気球について習近平国家主席は何も知らされていなかった』というスタンスですが、すべてがトップダウンで決まる一党独裁政権で『知らなかった』は通用しない。〝敵対的行動〟なのは明らかなので、本来は強い姿勢で臨むべきなんです」(同・ジャーナリスト)
しかし、ロシアとウクライナの問題もあり、これ以上、中国を突き放すと国際的な分断がより深刻化しかねない。
「バイデン大統領の中国に対する弱腰の姿勢には、米国内でも批判の声が高まっていますが、まずは協議に応じて落としどころを探るしかないんです。ただ、協議の内容と結果によっては、バイデン大統領の支持率が急落する恐れもありますよ」(同・ジャーナリスト)
中国の気球を撃ち落としたおかげで、バイデン大統領自身も〝墜落〟の危機に瀕しているようだ。
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