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コロナ禍に『ポルシェ』爆売れ!の裏で事業者金融「経営危機」の不条理

(画像)BoJack / Shutterstock.com

これまで中小企業などに融資をしていた事業者金融業者が、需要の激減で経営危機に陥っている。昨年に金融機関が無利子・無担保の新型コロナ緊急融資を行った影響で、借り入れ件数が一気に減少しているのだ。

政府による各種の資金繰り支援策の状況だが、2020年11月時点で日本政策金融公庫からは70万件(総額12兆円)、民間金融機関からの無利子・無担保融資も90万件(総額15兆円)ほど実施されている。

「期限付きであっても無利子・無担保で銀行から借りたほうが得ですから、高利の事業者金融で借りるメリットがないのです」(経営コンサルタント)

政府による金融支援は、新型コロナで経営不振になった企業に対する融資だが、無利子・無担保をいいことに、金を貸して資金流用するケースも少なくない。

「もともと経営不振だった企業が、コロナを理由に緊急融資を受けて、高級車や投資用不動産の購入資金にすることが多く困っています」(銀行担当者)

コロナバブル!? ポルシェが過去最高の登録台数

その影響かどうかは定かでないが、コロナ禍でもメルセデス・ベンツ、BMW、レクサス、アウディなど、高級車の売れ行きが好調だという。なかでもポルシェジャパンは、20年の国内新規登録台数が過去最高の7284台を突破し、コロナバブルに沸いている。

「コロナで経営難に陥る会社が増える一方で、助成金や給付金のおかげで〝金余り〟になっている会社もある。持続化給付金や雇用調整助成金は課税対象となるため、税金対策で高額のものを購入する経営者が多いのです」(税理士)

コロナ不況の長期化に伴い、政府による金融支援の延長が見込まれる中、事業者金融業者は出番を失うばかり。このまま需要がなくなれば、廃業ラッシュが加速しそうだ。

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