Ⓒふくよか舎/ピークサイド
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LiLiCo☆肉食シネマ~『グッドバイ、バッドマガジンズ』/全国順次公開中

『グッドバイ、バッドマガジンズ』 監督/横山翔一 出演/杏花、ヤマダユウスケ、架乃ゆら、西洋亮、山岸拓生、菊池豪、岩井七世、春日井静奈、カトウシンスケ、グレート義太夫 配給/日活


この連載を始めて10年! 今回は私にとって初めての試み。というのも、紹介する『グッドバイ、バッドマガジンズ』の公開は昨年の10月28日だからです。うっかリリコでごめんなさ〜い! でも、この作品は口コミでジワジワと公開範囲が広がって今も絶賛公開中。遅れてのご紹介にはなりますが、あなたの街の映画館情報をチェックして、ぜひ、行ってみてほしいんです。


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本作は、男性向け成人雑誌に携わる人々の葛藤と頑張りを描く人間ドラマです。まず、作品の入り口が好き。オシャレな女性誌で働きたかった女性が配属されたのは男性向け成人雑誌。最初は裸の女性のグラビア写真をひたすらシュレッダーにかける日々でしたが、徐々に責任ある仕事を任されるようになります。そんな、右も左も分からない新人女性を通して、男性誌がどれだけ戦い、良いものをみんなに届けたいのかが、とてもユーモラスに描かれていて、95%が実話であるとのこと(逆に嘘の5%を知りたくなる私ですが)。


販売店からの成人誌の撤退や、雑誌に付いてくるDVDのモザイク漏れ事件など、これまで、あまり考えたことがなかった私でしたが、映画を見て、〝男性向け成人雑誌で働くみんな頑張れ!〟と心の底から思っちゃいました。

フレッシュな俳優陣にも注目

実は私、この連載が始まるはるか前に、本誌にスウェーデンのアダルトショップ事情の記事を書いたことがあります。とにかく、私の知らない世界にドキドキし、とても楽しかったのを覚えている。取材させてもらった、わりとオープンなスウェーデンのアダルトショップの店員さんは協力的で、写真も自由に撮らせていただきました。杖をついた80歳くらいのおじいさんが、大人のオモチャを眺めている姿は今でも忘れられない。その記事が、私のライターとしての大きなステップになりました。女性がエロを追求すると、新しいものが生まれるのかもしれないと実感した私。

本作品では俳優陣もフレッシュ! 新人編集者・森詩織役は杏花さん。最初は戸惑っていたものの、さまざまなアイデアを出してきて成長していく姿に、私は全身全霊で彼女を応援しました。新人の詩織を一生懸命に手助けする向井英役にはヤマダユウスケさん。こうした先輩がいると心強い。自然な佇まいと、そのルックスから「私もここで働いてたら頼っちゃう♡」と思いました。


本作は、完全自費制作の形を取ることで大手映画会社への忖度はなし! 口コミで広まるのも納得です!
LiLiCo 映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。