全国で相次ぐ「連続強盗事件」は、死者が発生したこともあり、市民の間でも日増しに防犯意識が高まっている。そのため、ここにきて防犯グッズを買い求める客がホームセンターなどに殺到しているのだ。
全国で1215店を展開する『コメリ』(新潟市)の広報担当者が言う。
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「防犯グッズをお買い求めになるお客様は、一連の事件報道後、確実に増えています。売れ筋は窓まわりの防犯グッズで、次が防犯カメラ、センサーライトといった順。侵入を防ぐ商品が人気を博しているのです」
また、茨城県を中心に26店舗を営むホームセンター『山新』の広報担当者もこう話す。
「茨城でも、つくば市などで関連事件が発生したことから窓まわりの防犯商品が売れている。特に窓に貼り付ける防犯フィルムは、昨年の2倍の売れ行きです」
ホームセンターで特に窓まわりの防犯グッズが売れている理由は、「強盗や窃盗犯の約6割が窓から侵入」との警察の統計データがあるため。つまり、ここを防犯できれば、賊の侵入を阻止できる可能性が極めて高いからだ。
防犯機器メーカーの関係者が解説する。
「強盗団や空き巣の大半は割った窓から手を差し入れ鍵を外して侵入するが、窓の広域、できれば全面に防犯フィルムを貼りつければ、窓が破られにくくなる。つまり、強盗事件を阻止することができるのです」
ちなみに、この防犯フィルムはホームセンターなどで460ミリ×350ミリが1000円程度で販売されているが、防犯能力を高めるコツはフィルムの厚さを確かめることだという。
「厚さ300マイクロメートル、つまり0.3ミリ以下のフィルムは防犯性が低いとの指摘もあるため、それ以上で、警察や国交省認定のCP(Crime Prevention=防犯の頭文字)マークの付いたものが望ましい。大きさも全面が無理なら、せめてA3サイズ以上を選ぶこと。窓を破るのに面倒な防犯フィルムが貼ってあることを強盗たちに見せつけ、防犯効果を高めるのです」(同)
人感センサー付きの録画機能
また、防犯フィルム同様、補助錠も窓まわりの防犯では売れ筋商品だ。
「サッシに貼るだけで施錠ができる『伊藤製作所』の『ワンタッチシマリ』は500円台。大阪の『ノムラテック』製造の『どろぼーセンサーI&ウインドロックZERO』は2000円前後で、窓が破壊されると警報が鳴る装置と補助錠のセット。いずれも価格の安さと効果の高さがウケて人気です」(鍵専門店店主)
加えて、玄関ドアからの侵入を防ぐグッズにも人気が集まっている。リフォーム業者が語る。
「玄関の防犯には、深夜に不審者が侵入した際に大きな音が鳴るドアアラームなどが役に立つ。『旭電機化成』の『防犯ドアアラーム』などは1000円台で購入できるため、お値打ちです。同様に玄関に穴を開けたり、ドアポストから道具を差し入れ内鍵を外して侵入する防犯対策には、鍵にカバーをかける『サムターンガード』が人気。これも数百円程度で購入できます」
近頃は宅配業者などを装いドアを開けさせる強盗事件も増えているが、これらの防犯にはやはりインターホンが効果的。そのため、最近は最新型へと付け替える家庭も増えているという。
前出の防犯機器メーカー関係者がこう続ける。
「今では来訪者を記録する自動録画機能付きが主流だが、人がインターホンに近づいただけで録画する人感センサー付きもよく売れている。加えて宅配ボックスも売れ行き好調で、基本的に業者とは面会しない、ハンコかサインが必要な場合に限りドアチェーンをして対応するのが、主流になりつつあるようです」
求めやすい価格で好評
一人暮らしの女性や高齢者には大阪の家電メーカー『ライソン』が販売するボイスチェンジャー『応答くん』が売れているという。この商品は女性の声を男性に変換する装置だが、インターホンと一緒に使用することで、望まない訪問販売員や強盗を撃退できるとして人気を博しているのだ。
また、強盗団の戦意を削ぐには光や音が鳴るセンサーライトも有効だ。ホームセンターの関係者が言う。
「センサーライトにはコンセントタイプ、電池型、太陽光型の3種類がある。最近は手軽で価格も安い電池型と太陽光型が人気だが、防犯では最低400ルーメン、35W以上の明るさのものを選ぶことが肝心です」
例えば、『アイリスオーヤマ』の『乾電池式 LED人感センサーライト』は400ルーメンの明るさで、防犯モードにすると侵入者を感知して10秒点滅し威嚇する仕組み。価格も4000円台と求めやすいため好評を得ているという。
また、防犯カメラをお求めなら『オーム電機』の『乾電池式トレイルカメラ microSDカード付』(1万円台)がオススメだ。もちろん、これら防犯グッズと同様、セキュリティー会社への問い合わせも増えているという。
『セコム』の広報担当者によれば、「一連の強盗事件報道以降、住宅の防犯対策が急増。多い日で普段の5倍以上の相談がある」とか。喜ばしいこととは言えないが、防犯対策は今年のトレンドと言えそうだ。
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