――前編では、鉄道に親しんだ幼少期の思い出や『NHKのど自慢』出場をきっかけに歌手デビューの切符を掴んだ話などを伺いました。今年でデビュー10周年です。デビューからを振り返って一言で表すと、どのような言葉になりますか?
【関連】『令和の“応演歌”』徳永ゆうき~サビ10曲「鬼レンチャン」で見事達成100万円獲得!(前編) ほか
徳永 「早い」の一言に尽きますね。まだまだデビューして4〜5年の気持ちです。振り返ると、歌だけでなく、舞台や映画、ドラマといった演技にもチャレンジさせていただきましたし、バラエティー番組や大好きな鉄道番組にも出演させてもらいました。
今の時代、なかなか歌1本で生きていくのは、難しい印象があります。さまざまなことにチャレンジしていく中で、「徳永ゆうき」という存在を知って曲を聴いてもらい、コンサートにも足を運んでいただけたら嬉しいですね。
演歌や歌謡曲には素晴らしい曲がたくさんありますから。僕をきっかけにして若い方々にも興味を持ってほしい。演歌と若者の架け橋のような存在になりたいですね。
――デビュー10周年記念アルバム『徳永がくる』を2月1日に発売しました。どんなアルバムなのでしょうか?
徳永 新曲や配信限定だった曲、カバー曲で構成されています。
――アルバムに先立ち新曲『なんとかなるさ』を先行配信しました。
徳永 そうですね。『なんとかなるさ』は、ここ約3年のコロナ禍や、ウクライナ情勢など気分が沈むような暗いニュースばかりが世間を騒がす時代に、それでも「なんとかなるやろ」という気持ちを込めた曲になっています。元々、僕自身がそういう性格でもあります。笑って前を向いて過ごしていこう…皆さんの背中をこの曲が後押しできれば嬉しいですね。
“1日車掌”に挑戦したい
カバー曲は『いちご白書をもう一度』や『ホームにて』、『寄り酔い』などが収録されています。中島みゆきさんの『ホームにて』は、鉄道好きとしては個人的にも好きな曲です。『寄り酔い』は和ぬか(シンガーソングライター)さんが歌っている曲で、TikTokで若い世代の方に人気なんです。
ただ、僕が歌うとこぶしが回ってしまい、演歌調に聞こえてしまうようですが、良い塩梅で元の楽曲に交じっていると思います。注目して聴いてほしいです。
――最後に、目指す歌手像について教えて下さい。
徳永 歌手として紅白歌合戦に出場したいのはもちろんあります。歌手像として具体的に目指しているのは、憧れの存在である三波春夫さんです。歌声が好きなのはもちろん、浪曲や歌謡浪曲、台詞入りの楽曲も歌われている。幼い頃、祖父と三波さんの映像を見たとき、1人でミュージカルの舞台をされているような方だなと感動したんです。明るく伸びやかな歌声かと思うと、キリッとした歌声で歌う。そのギャップに惹かれました。僕自身も、嬉しいことに声質が三波さんに似ていると言われることもあり、皆さんを元気づけられるような歌を届けたいですね。
また、前編でもお話ししたように幼い頃から鉄道が大好きなんです。これまで1日警察署長は何度か務めさせていただいたのですが、1日車掌はまだないんです。実際に車両に乗務し、アナウンスすることにも挑戦できたらと思います。
とくなが・ゆうき
1995年2月20日生まれ。大阪市此花区出身。『NHKのど自慢チャンピオン大会2012』でグランドチャンピオン受賞。2013年『さよならは涙に』でデビュー。2月1日デビュー10周年記念アルバム『徳永がくる』を発売。バラエティー番組や鉄道番組、ドラマにも多数出演中。
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