北朝鮮の金正恩総書記の動静が1カ月ほど聞こえてこない。元日に、祖父・金日成主席と父・金正日総書記の遺体が安置されている錦繡山太陽宮殿を訪問し、朝鮮少年団の代表らと記念写真を撮るなどして以降、公式の場から姿を消しているのだ。
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「1月中旬に平壌の万寿台議事堂で開かれた最高人民会議(日本の国会に相当)にも、例年なら施政演説を行うところですが、今年は出席しませんでした」(北朝鮮ウオッチャー)
中国で新型コロナウイルスの感染が爆発的に広がる中、国境を接する北朝鮮では、依然としてコロナ対策は万全と強調しており、昨年8月に開催された「全国非常防疫総括会議」では、コロナウイルスとの戦いに勝利したと宣言した。
「正恩氏が勝利を宣言した以上、国民の誰もが『感染した』と言い出せない空気となっているのです。下手に騒ぎ立てたら、口封じのためにコロナ収容施設や政治犯収容所に放り込まれてしまうかもしれず、誰も本当のことを言い出せない状況です」(同)
深刻な健康状態とは…
食糧難に加え、コロナに罹患したことすら覆い隠す状況とは、北朝鮮の国民には同情して余りある。
そんな折、英紙『テレグラフ』は、ここ数年間に観察された正恩氏の姿を根拠に、現在の心理状態を分析して『孤独に苦しんで落ち込み、李雪主夫人の引き止めにもかかわらず、喫煙や過飲を続けている。時々、姿を見せなくなるのは深刻な健康状態の兆候とみられる』と伝えた。
正恩氏が勝利宣言を出した際、会議に同席していた実妹の金与正党副部長は、正恩氏について「高熱の中、ひどく患いながらも、自身が最後まで責任を負わなければいけない人民たちを考えて、一瞬も横になれなかった元帥様」と、その献身ぶりを演説した。
「この発言は、正恩氏自身がコロナに感染し、その後、回復した可能性を示唆したものと受け取られました」(在日韓国人ライター)
動静が途絶えたのは、健康悪化か、2回目のコロナ罹患か。それとも単なる暴飲暴食なのか。
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