先週のシルクロードSは、穴があったら入りたいほど恥ずかしい予想だった。何せ、上位人気馬では唯一印をつけずに無視した浜中ナムラクレアが豪脚一閃で勝利し、2着には人気薄の団野ファストフォースが入り、こちらも我が予想ではスッコヌケ。〝こんな馬出てたの?〟ってなもん。3着の1番人気藤岡康マッドクールをヒモに少々加えた程度では、ほぼカスリもしない大々空振りの巻となった。まあ、鼻差、首差で泣くより、諦めがつく、ってか。
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実力上位のはずの松山ウインマーベル、鮫島駿トウシンマカオは、文中に「枠順を見てゲゲゲのゲとなった。2頭とも8枠に入っちまった」と記したけど、内心〝人気はアチラ(ナムラやマッド)、馬券はコチラ(マーベルやマカオ)、この馬から買ってこんなに付くの? オイシイ〟と今週の予定稿を密かに考えていたものだが(笑)、とんだ取らぬタヌキの皮算用になってしまい、予定稿は当然ボツとあいなった。現実はヒジョーにキビシィ~(財津一郎かよ)。書いた通りの懸念のほうが的中し、重ハンデも災いしてか、マーベル7着、マカオ4着では残念無念。これで、今年の当コラムの戦績は○●○●のオセロ状態となった。ならば、次は勝つ番! とあくまで前向きに考えたい。
ところで、先週も〝ルメール大将がスランプ状態に〟と書いたが、その土曜日の大将は、それまでの不振が嘘のように1日6勝の荒稼ぎ、離れ業、固め打ちと来たもんだ。これで東西30位以下から一気にベスト10入りのゴボウ抜き。〝さすが大将、やると時はやるねえ。私の当コラムでの叱咤が少しは効いたか?〟って、まさかね。とはいえ、日曜日はうって変わって0勝とは…まだまだ本調子じゃなさそう。今週も引き続きルメール大将の戦績に注目したい。
“映画連想馬券”の本命はオープンファイア
というわけで、今週も東京新聞杯を敢えてパスして、古馬重賞より3歳クラシックへの登竜門ってことで、中京のきさらぎ賞をチョイス。今週で中京開催もひとまず終わることだし、しっかりシメたい。過去にスペシャルウィーク、ネオユニヴァース、サトノダイヤモンドなど錚々たる名馬たちが勝ち名乗りを挙げたレースでもあり、目が離せない。例年少頭数になることが多いレースだが、今年も例外ではない。これで今年の重賞で10頭以下がシンザン記念、京成杯に続いて早くも3度目だ。今回もたった8頭。当然、ここも絞らないとトリガミの憂き目になりそう。
さっと見た目、2000メートルの時計がメンバー最速だし、コースも1戦1勝で文句ナシで、鞍上も、先週は戦績イマイチだったが、驚異の連対率6割キープを誇る川田が新馬以来連続騎乗のフリームファクシ、さらにルメールから乗り替わったムルザバエフのオープンファイアも同じく中京1戦1勝だし、この2頭でだいたい決まりか、とも思う。あと選べば、逃げて怖いゾの〝紅一点〟の荻野極レミージュは〝牝馬の鉄〟としては推したいところ。加えて、ご贔屓の松山に乗り替わる関東馬ロゼルぐらいだろう。無理くり、もう1頭選ぶなら、ダート馬っぽい和田竜クールミラボーや、左回りは苦手そうな国分恭ノーブルライジングより、岩田康が乗るとは心強いシェイクユアハートかなあ。
さて〝映画連想馬券〟だが、オープンファイアから『オープン・ユア・アイズ』(1997年)はどうか。スペインの鬼才アレハンドロ・アメナバールによるサイコ・スリラーで、事故で顔に大ケガを負った男の前に死んだはずの加害者の女性が現れてからの恐怖体験を描く一席。これを気に入ったトム・クルーズが、自身が主演で『バニラ・スカイ』という題名でハリウッド・リメークしたが、オリジナルのほうが明らかに勝っていた気がする。珍しいのは、同じ役で私のご贔屓女優ペネロペ・クルスが出演していること。彼女は昨年の私の洋画ベストワン『パラレル・マザーズ』(21年)でも堂々たるヒロインを演じていて、イイ女だなあ、とますます惚れ直した次第だ。お時間があれば、ぜひご覧あれ。目の保養にもなりますよ。
買い目は②から⑦①④⑤へ馬連(②⑦厚目)&3連複ボックス。これ以上買ってもトリガミになりそう。とにかく当てよう!
秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。
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