巨人ドラフト1位浅野翔吾が“熱男”松田宣浩の先導で「球団史上64年ぶり快挙」へ?
巨人の新人合同自主トレで、圧倒的な存在感を放っていたのが、ドラフト1位ルーキーの浅野翔吾選手だ。キャンプは二軍スタートだが、「開幕一軍」の可能性を指摘する解説者も多い。そして、そのエスコート役は、〝熱男〟こと松田宣浩内野手が務めることになりそうだ。
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「松田が巨人に合流したのは、1月24日。ジャイアンツ球場で自主トレを公開したんですが、新人選手のハートもしっかり掴んでいました」(スポーツ紙記者)
松田は内野ノックを受ける新人選手たちの中に飛び込んでいき、声を張り上げた。グラウンドの雰囲気が一変した。
「声をたくさん出して、ボールを呼び寄せているっていうか…」
練習後、浅野は松田の年齢を感じさせないハツラツさに敬服していた。
「プロ18年目を迎えるベテランと一緒に練習でき、新人たちには貴重な経験になったと思います」(前出・記者)
ノック中、慶応大卒の2位ルーキーの萩尾匡也が「松田さんでいいですか?」と呼び方を確認すると、松田は言った。
「熱男で!」
すっかり溶け込んだ様子の松田。だが、極め付きは練習後のインタビューだった。
「巨人初日なので、松田が取材陣に囲まれたんですが、その取材陣の輪の後ろに浅野が立って、大先輩の質疑応答に聞き入っていました。『勉強になる』と話していました」(前出・記者)
オープン戦で一軍に!?
「熱男」と呼ばれているのもうらやましそうだった。浅野はドラフト指名前、高校の同級生たちに「おっさん」と呼ばれていることをカミングアウトしている。
「ヒゲが濃く、『1日2回、剃っている』と話していました」(地元メディア)
また、高校入学直後、90キロのバーベルをいきなり上げた逸話も残っている。その怪力ぶりに、野球部全員が「ゴリラかケモノだ(笑)」と驚いていたそうだ。
そんな〝おっさん浅野〟の育成だが、当初は「焦らず、じっくり」の方針だった。だが、19日のコーチ会議後、阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチが原辰徳監督の胸中をこう代弁した。
「出来が良かったら、監督が『一軍で見てみよう』、『呼んでみるか』というのもあるかもしれない」
キャンプ途中の一軍合流の可能性も示唆したのだ。それは〝期待〟ではなく、医学的な根拠のある発言だった。
「新人選手の健康診断・体力測定を行ったところ、浅野の成長は止まっていました。すでに、『大人の体』になっていたのです」(球界関係者)
「骨端線」が閉じていたそうだ。
骨端線が残っている10代はまだ成長期にあり、過度なトレーニングはマイナスとなる。しかし、肉体的に大人になっている浅野には〝容赦なく〟厳しい練習を課すことができるのだ。
「もともと二軍スタートになった理由は、過度な緊張を与えないためです。プロの対戦投手のスピード、変化球のキレに対応できれば早期の一軍昇格となります」(ベテラン記者)
「焦らず、じっくり」の方針には賛成する一方、こんな声も聞かれた。
「オープン戦で一軍を経験させ、『プロの洗礼』を浴びせるのもいいのでは? 打てなくてもともと、二軍投手からホームランを打って安堵させるよりも、一軍で三振させたほうが浅野のためでは」(前出・球界関係者)
64年ぶりの快挙なるか
2年前にさかのぼるが、春季キャンプ中盤で、当時、高卒ルーキーだった秋広優人が一軍に呼ばれた。オープン戦終盤まで一軍に同行したが、ペナントレース本番が近づくにつれ対戦投手のレベルも上がり、「開幕一軍」のキップは勝ち取れなかった。このときのしくじりが「糧」になっているのかもしれない。センターでの起用が予定されている新外国人選手のルイス・ブリンソンは「春先は打てない」との情報も交錯している。たとえ二軍スタートでも、浅野にも「開幕一軍」の可能性は十分にあるのだ。
高卒ルーキー・浅野の開幕スタメン。もし実現すれば巨人では1959年の王貞治ソフトバンク球団会長以来、64年ぶりの大快挙だ。たとえヒットが出なくても、将来のチームの看板を背負って立つ逸材である。それにふさわしい晴れ舞台を用意してもらいたいが…。
「原監督が新人自主トレを見て、浅野を『スーパーボールみたい』と言いましたが、その発言は意味深いんです。浅野は背中、臀部など体の後ろ側の筋肉量が多く、外国人スラッガーに近い体付きをしているんです」(前出・球界関係者)
弱点を挙げるとすれば、合同自主トレの1500メートル走でドンケツだったこと。まだ、恵まれた臀部の筋肉が使い切れていないのかもしれない。
「いいニックネームをつけてあげたいですよね。『おっさん』ではかわいそう」(前出・同)
『熱男』みたいなニックネームが理想だが、そのためには、やはり開幕一軍を勝ち取るしかなさそうだ。
〝お尻の使い方〟が上手になれば、打球飛距離はさらに伸びる。キャンプではニックネーム以外に、浅野がお尻を上手に使えているかどうかに注目するのもいいだろう。
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