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大谷翔平WBC“ドタキャン”の可能性!? メジャー開幕前に「電撃トレード説」

大谷翔平
(画像)MNAphotography / Shutterstock.com

メジャーリーグ、エンゼルスが球団売却を中止したことで、「二刀流」大谷翔平の去就問題が再燃。開幕前のヤンキース電撃移籍が浮上した。昨季、ア・リーグ新記録の62発を放ち、MVPを獲得したアーロン・ジャッジとの共演なるか? 舞台裏で何が起きた!?

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先週、球団売却の中止を発表したロサンゼルス・エンゼルスについて、複数の米国メディアが、「投打の大黒柱・大谷翔平の開幕に合わせたトレードが進行している」と報じている。しかも相手は、昨季、大谷とMVP争いを展開したアーロン・ジャッジを擁する名門球団のニューヨーク・ヤンキース。実現すれば、2012年にそれまでマリナーズ一筋だったイチローがヤンキースに電撃移籍して以来の大きな衝撃となる。

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「二刀流」大谷が昨季、投手で15勝、野手で34本塁打、95打点なら、ジャッジはア・リーグ最多記録を61年ぶりに更新する62本塁打を放ち、打点131で2冠。打率は2位の3割1分1厘。2人がチームメートになれば、ヤンキースは2009年以来のワールドシリーズ制覇がぐんと近づくだろう。

しかし、投打の柱を失うエンゼルスにメリットはあるのか。

「狙いは、エンゼルスが昨年10月に大谷と結んだ単年3000万ドル(約39億円)の代払いでしょう。巨利を狙った〝身売り〟が不発に終わり、事実上の債権譲渡トレード」と話すのは、MLBの有力代理人。さらに続ける。

「腹立たしいのは、エンゼルスオーナーのアルトゥーロ・モレノ氏が空前の二刀流スターを球団売却の〝ダシ〟に使ったこと。ファンも怒りを通り越し、呆れ果てている」

つり上げられた買収金額

そして、今回の超大型トレードを理解するには、昨夏の球団売却発表と大谷との高額契約を振り返る必要があると語った。

昨年8月、モレノ氏は「チームの売却に向けた正式な手続きを開始する」と身売りを発表した。10月には2023年シーズンでエンゼルスとの契約が満了し、FA資格を得る大谷と3000万ドルで単年契約を締結。「大谷を抱えることで、より高額での球団売却」を目論んだと言える。

すぐに『ロサンゼルス・タイムズ』オーナーのパトリック・スンシオン氏が買収に名乗りを上げ、それにNBAウォリアーズのオーナー、ジョー・レイコブ氏が続いた。さらにソフトバンクの孫正義オーナー、楽天の三木谷浩史オーナー、そして『ZOZOTOWN』創業者である前澤友作氏の名前も報じられ、入札候補は太平洋をまたいで広がった。

この買い注文殺到にモレノ氏は、イケイケの殿様商売を展開。2003年に前所有者のウォルト・ディズニー社からエンゼルスを買い取った金額は約1億8000万ドル。当初はニューヨーク・メッツを24億ドルで買収したスティーブ・コーエン氏の買収金額を上回る25億ドル前後の攻防戦になるかと思われたが、総定額が30億ドルにつり上げられたことで事態は一変。墓穴を掘った形となった。

2月中旬に予定していた入札への参加陣営が、次々に撤退。エンゼルスは「2023年以降も所有権を継続する」と身売りの中止を発表した。

この動きを、スポーツ紙デスクが解説する。

「そもそもエンゼルスは財政が厳しいから身売りを考えたわけで、御破算になった今、大谷を抱え続ける余裕はないと見るべき。契約延長にはメジャー史上初の10年総額5億ドル(約649億円)が予想されているが、チームには来季以降も年俸約54億円のマイク・トラウト外野手と、同50億円のアンソニー・レンドン三塁手が残る。大谷の今季年俸39億円が無駄金になることを恐れ、電撃トレードに。開幕前ならそっくりそのままヤンキースに押し付けられるし、若手有力選手を5〜6人程度獲得することができれば、二刀流との費用対効果も見込める」

実は、ヤンキースは昨年8月のトレード期限の1分前まで、大谷獲得に動いていた。だがその際、エンゼルスは球団売却を有利に進める〝大事なコマ〟と、応じなかったという。

侍ジャパン出場に黄色信号!?

しかし、計画は失敗し、今回はエンゼルスサイドからのアプローチ。基本的な交渉は半年前に終えており、交換選手の人選が進んでいるという。

「昨季のヤンキースはブルージェイズに7ゲーム差をつけてア・リーグ東地区の優勝を果たした。しかし、プレーオフのリーグ優勝決定戦でアストロズに4連敗で敗退。しかし、大谷が加われば世界一奪回も可能だといわれている」(同)

この大谷の開幕前駆け込みトレードは、エンゼルス、ヤンキースにとって共にメリットが見込める一方で、由々しき事態に陥るチームがある。それが、来月開幕するワールド・ベースボール・クラシックで14年ぶりの世界一奪還に挑む侍ジャパンだ。切り札・大谷のWBC出場に黄信号が灯るのである。

3月9日からの予選東京ラウンドでは、大谷の保険金だけで数億円(ケガで1シーズン棒に振った場合の補償)かかることが判明。大谷を保有するエンゼルスは、支払いに懐疑的とされる。しかも保険適用には1試合60球の球数制限に応じざるを得ず、出場しても「フル二刀流」は望めない。

一方、MLB側の主催に代わる19日からの準決勝(米国ラウンド)以降は、エンゼルスが認めても今度はヤンキースが突っぱねる。

メジャーの開幕戦は3月30日。ヤンキースは昨季12勝4敗の変則左腕、ネスター・コルテス投手をアメリカ代表に送り出すが、新加入の大谷は捕手とサインや配球などの綿密なコミュニケーションを図る必要がある。そのため、出場に待ったがかけられるのは必至なのだ。

こういった動きを察知してか、栗山英樹代表監督は当初思い描いていた大谷、ダルビッシュ有(パドレス)、山本由伸(オリックス)、佐々木朗希(ロッテ)の「先発4本柱」を修正し、今回、侍ジャパンの選考から外れた田中将大(楽天)を追加招集する準備を進めているという。これが、「大谷ドタキャン」を見極めるサインとなるのだ。

大谷が二刀流エンジン全開でWBCに参戦できないのは、残念極まりない。しかし、MLBの二枚看板「大谷&ジャッジ」のヤンキース共演が実現すれば、それ以上に楽しみが膨らむ。

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