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『美女ざんまい』~精神科医/産業医・髙木希奈インタビュー

『美女ざんまい』~精神科医/産業医・髙木希奈
『美女ざんまい』~精神科医/産業医・髙木希奈 (C)週刊実話Web

人気番組『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ系)などバラエティー番組への出演で人気の髙木希奈センセイ。著書やブログでは性に関する発言もストレートで小気味いいと評判を呼んでいる。そんなセンセイに新型コロナ2年目の今年、精神科医の観点から「ウィズコロナ時代のセックス」についても聞いた――。

髙木 実は『ホンマでっか――』には1回しか出演していないんです。それなのに、番組の知名度が高いせいか、私の紹介文には必ず『ホンマでっか――に出演の…』と書かれてしまうんですよね。あまりに仰々しいと、気が引けちゃいます。

――きっと、爪痕を残したからでは?

髙木 それが全然。周りがかなり個性的な識者の方々ばかりだったので、気後れして圧倒されっぱなしでした。番組に慣れてないのと台本もないので、コメントを挟むタイミングが分からなくて。爪痕だなんて、とてもとても…。

――その頃、精神科医としてセックスに関する本を書かれました。そのインパクトも大きかったのでは?

髙木 当時は、宋美玄先生が『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』を出版されて、とても話題になっていました。宋先生は産婦人科医なので体のことはお詳しいのですが、セックスは体だけじゃなく気持ち=メンタル面が大きいのではないか、むしろそこが一番大事なのではないかと考えていました。精神科医の立場から性について指南している方がいなかったのも、私に白羽の矢が立った理由かなと思います。

手には女性を欲情させるいくつかのツボがある

――著書には〈私たちがセックスで本当に気持ちよくなるためには、体を愛撫するテクニックと一緒に、心を愛撫するテクニックを手に入れることが不可欠〉と書かれています。まさに、このことですね?

髙木 そうなんです。結局のところ、女性がセックスに求めていることって、丁寧で頻繁なスキンシップや愛撫、そして、言葉によって行われる愛情確認だということなんです。

――アソコに触れずに愛撫する、手つなぎの効用というのも伝授している。

髙木 デートをするなら、手つなぎがセックスへの大事な一歩です。なぜなら、手には女性を欲情させるいくつかのツボがあるからなんです。手をつなぎながらさりげなく刺激することで、セックスへの欲望を掻き立てられるんですよ。

――それはぜひ、教えてほしいです!

髙木 ツボは3つあります。薬指の爪、小指側の生え際=関衝(かんしょう)。緊張を解いてリラックスさせます。次は中指の爪、人差し指側の生え際=中衝(ちゅうしょう)。眼精疲労解消のツボなのですが、なぜか女性は濡れてしまいます。最後が中緒(ちゅうしょ)という、手の甲にあるツボ。薬指と小指の間の指の股から2センチほど下。押すと痛みがあるので分かります。ここは子宮の血流をよくするので、女性は知らぬ間にムラムラしてきます。

「コロナ禍における性交渉」医学的見解は?

髙木氏は聖マリアンナ医科大学を卒業後、現在は精神保健指定医・精神科専門医/指導医・認定産業医として精神科病院及び企業に勤務している。予防医療研究協会の理事でもある。

――このコロナ禍において、超濃密接触となるセックスはどのように行えばいいのでしょうか? 先生の考えを聞かせてください。

髙木 COVID-19に関するセックスについてのレポートは、世界的に見ても数は少ないです。ニューヨーク市衛生局から出ている「セックスと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」という通知をもとに検証しましたが、セックスでの感染の可能性は低いとは言えません。武漢での調査では、42.9%の確率で相手に感染させていたとされています。ただ、調査の母数が多いわけではないため、確実な調査結果とは言えません。あくまでも参考値として捉えておいてください。それと、2020年4月末時点での情報をもとにお話をしていますので、見解が変更されることもあると思いますし、決して安全を保障するものではありません。

――では、性交渉時に気を付けるべき具体的なポイントは?

髙木 感染リスクを低減させるために一番安全なのは、自慰です。ただし、セックスは単なる性欲を満たすだけのものではありません。前述したように、セックスは「コミュニケーションの一環」と「愛情表現」です。自慰とセックスは別物と思いますので、セックスが自慰で満たされることはないかと思われます。

性交渉時のポイントは、唾液や便からコロナウイルスの検出があり、膣分泌液や精液からはコロナウイルスの検出はないことです。そのことから、セックスで感染を避けるための注意点は以下の5点になります。

リスク低減の性交渉は現実的に不可能

《1》キスは避けましょう。
《2》オーラルセックスは避けましょう=膣分泌液や精液からの感染はありませんが、唾液をまき散らすことで、その唾液を触った手から感染するリスクがあります。特に、肛門部周辺は触らないようにしましょう。
《3》前戯は行わず、即挿入を心掛けましょう=必要に応じて、男性はED治療薬を内服し、女性は潤滑ゼリーを使うなど、準備を整えましょう。
《4》顔が近づかないよう、後背位、御所車などの体位を心掛けましょう。
《5》射精後は速やかに身体を離し、すぐにシャワーを浴びるようにしましょう。水分補給なども、シャワーを浴びてからにしましょう。

ただ、これは現実的には不可能です。こんなことをするくらいだったら、もうセックス自体をしない方がマシかと。私は以前から、「女性にとってはむしろ挿入そのものよりも、キスや前戯、後戯が大事」と伝えていますので、こんなセックスをしても意味あるの? 楽しいの? と思います。感染リスクを低減させるセックスとは、上記の中では、行為の前後でのシャワー、手洗いや消毒、体位の配慮程度であれば実行可能かと思います。また、特定のパートナーと行う、不特定多数の人としない、相手を選ぶ際には、日頃からきちんと感染対策をしているかどうかを重視する、といったことが挙げられるかと思います。

――なるほど。

髙木 「孤独」はメンタルに影響を及ぼしやすいですので、人とコミュニケーションを取ることが大事です。こういう時だからこそ、家族や恋人、仲のいい友人、離れて暮らす両親など、信頼できる人とは「密」に連絡を取るように心掛けてくださいね!

髙木希奈◆たかぎきな 1978年生まれ。聖マリアンナ医科大学卒業。著書に『精神科医が本気で考えた心と体を満足させるセックス』『あなたの周りの身近な狂気』など。ツイッター@Psycho_JOY_kina

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