ものまねタレント/りんごちゃんインタビュー〜ギャップものまねがブレーク!今年はオリジナルの歌を…
「ミュージック、スターティン!」とかわいらしく言ってから野太い声で歌う、いわゆる「ギャップものまね」で一躍人気者となったりんごちゃん。だが、ブレークのきっかけとなったバラエティー番組『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)は、新型コロナウイルス感染拡大により、ガヤ自体ができなくなるなどの理由で放送を終了。同時に、りんごちゃん自身についても「最近見なくなった」などといわれてしまった。ところがどっこい、「出すぎ見すぎ状態」から普通になっただけで、テレビにもしっかり出ているし地方イベントではファンとの交流も盛んに行っている。そんなりんごちゃんに「2023年の野望!?」を聞いた。
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――2019年の大ブレークから4年。今年はりんご35個分の年齢になるそうですが、現在はどんな活動に力を入れていますか?
りんごちゃん SNSで言えばTikTokとインスタグラムかな? ライブ配信できるのが強みで、生のコメントがどんどん来るので楽しいです。リクエストに応じて武田鉄矢さんや、テレビではあまり披露したことのなかった松山千春さんのネタをやったり。おかしいのは、その中でファンの方と初めて来てくださった方とで、論争が始まるんです。「久しぶり〜」「テレビに出なくなって寂しい、いつ出るんですか?」みたいな。そうすると、「いや、ちゃんと出てますよ」と反論してくれるチームがいたりして(笑)。
――確かに、当時の出ずっぱり状態はすごかった。
りんごちゃん 1日に何番組も出演したので「見すぎた出すぎた」状態でしたね。今もテレビには出ていますし、地方でのイベントも多くあって、ファンの方との交流が直接できるのもうれしいです。そこでも「よく見てました〜」と過去形で言われてしまい、私って過去の人なの? と思うこともありますが、あまり気にはしてないんです。アンチコメントを書いてくださる方にしても、その時点でりんごちゃんに対する何かしらの感情があるわけですから、ありがたいと受け止めるようにしています。
転機になった上司からの言葉
――ブレーク当時の忙しさはどんな感じでしたか?りんごちゃん よくあるスターのイメージって、収録が終わると一度家に帰って2〜3時間したらマネジャーさんが迎えに来て、また仕事に行って…という分刻みの感じじゃないですか。私もリアルにそういう日があって「わぁ、スターになった!」と喜んでいました。そもそも私、ものまね芸人を目指していたわけじゃなく、テレビに出る人になりたかったんです(笑)。その憧れが叶ったわけですから、まるで夢のようでした。
――収入も増えたでしょう。
りんごちゃん いただけるお給料は増えても、「今だけ」という意識が強かったですね。もともとブランド物や高級品には興味がなかったので、ずっとプチプラファッションやコスメを愛用していて、今もそれは変わらないです。移動するときも素りんご(すっぴん)のときは電車なので、周囲に溶け込んじゃってます。全然気づかれませんよ。テレビに出るときは特殊メイクくらいのレベルで盛っているので(笑)。
――下積みは長かった?
りんごちゃん 転機はりんご30個分になる年でした。飲食店で働いていたのですが、将来のことで悩んでいた時期に上司に相談したんです。「ここで変わらないと、この先もずっと変わらないと思う」と言われて、雷に打たれたような衝撃を受けました。自分がなぜ青森から出てきたのか、これからどうしたいのかを考えました。先ほども言ったように、私はテレビに出る人になりたかったんですけど、そこから意識したのが、人間としての土台をしっかり整えようと。人として一番大事な挨拶や感謝することをしっかりやるようにしたら、仕事の評価が上がっていったんです。
――ものまねにも変化が?
りんごちゃん そうですね。以前はネタを始めるときに「スタート」と言っていたのを、よりかわいくしようと「スターティン」にしたり、りんごという名前をりんごちゃんに変えたのもそのタイミングでした。どんな性別の方でも、どんな年齢の方でも、ちゃん付けをしてくれることで壁が低くなると思ったんです。
驚くと低い声が…
上司のアドバイスから半年後、ものまねの仕事にも勢いがつき、『ウチのガヤがすみません!』の出演がきっかけとなり大ブレークを果たしたんですよね。りんごちゃん MCのヒロミさんや『フットボールアワー』の後藤輝基さんから「今までどこにいたの?」「今年は忙しくなるで」とおっしゃっていただいて。『行列のできる相談所』(日本テレビ系)でもマツコ・デラックスさんが「いま気になる人物」として呼んでくださって、どんどん忙しくなっていきました。ただ、あの頃の私は幽体離脱みたいな感じでもありました。私の中の〝りんごちゃん〟が先に走っていってしまったようで…。バッタバタでわけが分からなかった。忙しすぎて、それまで大事にしていた感謝する心を忘れてしまう時期も…。やはり時間に余裕がないとダメですね。ようやくいま、幽体離脱した魂が体に戻ってきて、りんごちゃんを客観視できるいい時間かなと思っています。
――そもそも、ものまねはいつ頃からやっていた?
りんごちゃん 3歳くらいのときに、自分では全然覚えていないんですけど、子供用の着物を着て美空ひばりさんのものまねをしている写真が残っています。小学校高学年くらいから武田鉄矢さんの金八先生のマネを始めていました。同時に、「かわいくいたい」という気持ちは昔からあったんですけど、ビックリするともう一人の私が出ちゃうんです。「うわっ!」みたいに低い声で驚くので、みんなが笑ってくれたり。
――ギャップものまねの原点ですね。
りんごちゃん 偶然の産物で生まれたネタもあります。大友康平さんのものまねのときにマイクスタンドを下げて大股になるのは、高さを調節するグリップが緩んでいて、ネタ中にズルズルと下がっちゃったんです。それに合わせて腰を落としていったら自然と股を開く姿になっちゃった(笑)。
――どういう人をまねしたくなるのでしょう?
――最後に、かわいさを保ち続けるコツがあったら教えてください。
りんごちゃん 常に恋をすることです。恋愛体質ではなくて、恋愛したい体質。好きになるのは現場のスタッフさんが多かったりしますね。でも、自分からは積極的にいけないので、想うだけで終わってしまいます。ただ、昨年1回だけある共演者さんに思い切ってSNSにDMしちゃったことがあるんです。「かっこいいです♪」と、私にしては最大限の冒険でした。特に何も起こらなかったんですけど、今年はもっとアクティブになりたいなと考えています。誌面をお借りして申し訳ないんですけど、「絶賛募集中。現場でのお声掛け待ってまーす」と書いといてください。
――承知しました(笑)。
りんごちゃん それともう一つ、私は歌が大好きで、浜崎あゆみさんの曲にずっと支えられてきました。だから私も、皆さんが笑顔になれるようなオリジナルの曲を出せたらいいなと思っています。もともと私、あゆさんになりたいと思って上京したんですよ。「みたいな」ではなく、「あゆさんになりたい」です。小学校高学年ごろからあゆさんのメイクやネイルを雑誌で研究していました。ものまねと同時にかわいさも追求していたからこそ、今のギャップ芸ができたんです。
◆りんごちゃん 秋川雅史、井上陽水などレパートリーは30以上。2020年より、地元青森県十和田市の「十和田奥入瀬観光大使」。インスタグラム/@ringochan_0626 公式YouTube『リン リン りんごちゃんネル』
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