クロちゃん お笑いトリオ『安田大サーカス』の一員。1976年12月10日、広島県出身。息を吐くように嘘をつくクズぶりで国民的ヒールとなる。最近、10年ぶりに恋人ができたことも大きな話題となった。

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――芸人のタレント本ではなく、大真面目な自己啓発本で驚かされました。どういう経緯で書くことになったのですか？

クロちゃん　おそらく日本で一番バッシングを浴びているのって僕だと思うんですよ。なにしろツイッターで「おはよう」とあいさつしただけで、「死ね！」というリプが山のように届くくらいですから。「なんでクロちゃんって病まないんですか？」ってアイドルちゃんから相談を受けることもあるくらいです。どうも僕って精神的にタフだと思われているらしいんですよね。でも実際はド厚かましい人間では全然ないし、むしろガラスのメンタルの持ち主。昔から叩かれ慣れているので、ダメージを軽減させる方法を普通の人より知っているだけなんです。

――つまり誰でもクロちゃんのように、したたかに生きることができるということでしょうか？

クロちゃん　もちろんです。今の時代はSNSをやっていなくても、社会のストレスから逃れられないのが現実じゃないですか。でも少し物事の見方や発想法を変えるだけで、プレッシャーやストレスをやり過ごすことはできるはず。僕は本の中で、そうした回避する方法を伝えたかった。

“柳に風作戦”はメンタルディフェンスの基本形

――具体的にはどういったことです？

クロちゃん　たとえば僕は昔から団長（安田）や先輩芸人から怒鳴られることがよくあったんですね。でもその説教をいちいち真に受けていたら、自分のメンタルがやられてしまう。だからそういうときは「ちゃんと部下を叱ることもできない無能な先輩なんだな」と心の中で相手を見下すんです。ほかにも「理論立てて生徒を説得する能力がない低レベルな先生」「自分の感情に任せてキレ散らかし、チームの雰囲気をブチ壊す幼稚なキャプテン」といった調子で、思いっきり蔑むのはメンタルディフェンスの基本形。「柳に風」作戦を使えば、怒られても屁とも感じなくなりますよ。

――なるほど。たしかに実践的かもしれません。

クロちゃん　それ以外にも「あがり症の人がプレッシャーに打ち勝つ方法」「失恋のダメージから立ち直るには？」「人脈を広げる必要はあるのか？」など生きる上でのヒントが満載です。そういえば最近、僕は10年ぶりに恋人ができましてね。その様子は『水曜日のダウンタウン』（TBS系）でも放送されたので、ご存知の方も多いでしょう。実は意中の人を射止めるコツも、この本の中には書かれている。クズだのバカだの嘘つき野郎だのと叩かれ続けてきた僕だからこそ、伝えられるメッセージがあるんです。僕は弱者の味方。等身大のヒーローです。この本を読んで〝損しない人生〟を歩んでほしいしん！