(画像)paulaphoto/Shutterstock
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企業の倒産ラッシュが加速!? 無利子の『ゼロゼロ融資』の返済始まる

近年、原材料高や物価高、円安も重なり、多くの中小企業が厳しい経営状況を強いられている。コロナ対策として導入された実質無利子・無担保の借入金――いわゆる「ゼロゼロ融資」で耐えしのぶ事業者も多いが、今年この借入金が返済開始となる企業が多いため、倒産ラッシュが起きる可能性が指摘されているのだ。


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経済記者が言う。


「『ゼロゼロ融資』は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて売り上げが減少した企業に、国が3年間実質的に無利子で資金を貸し付ける制度。2020年に始まり、22年8月時点で融資実績は約243万件、総額約43兆円に上り、ウイズコロナ経済の血肉となってきた。ところが、今年6月に返済時期を迎える企業が圧倒的に多いため、倒産の急増が懸念されているのです」

すでに計画倒産を予定する企業も…

もっとも、政府はこうした事態を警戒して元本返済期間を最長5年据え置く借り換え保証制度を実施。返済負担の軽減支援に乗り出したが、同制度は金融機関に再建計画を提出して条件をクリアしなければならず、倒産ラッシュに歯止めをかけられるかは未知数なのだ。

またゼロゼロ融資には企業倒産を促す恐ろしいバックグラウンドがあるという。


「地銀筋では融資を受けた企業の倒産が昨年から目立ち始めているようだが、『帝国データバンク』によると、実質的な経営破綻状態にある企業は21年度で18万8000社に達していた。これらは本来倒産していた企業がコロナ関連融資で延命したもので、再建計画の必要な借り換え制度の利用はまず無理。今後は計画倒産する企業も続出しそうな状況なのです」(経済評論家)


俗に〝ゾンビ企業〟と呼ばれるこれらが倒れれば、連鎖倒産も起きかねない。その意味でも今年は、コロナ対策の大きなツケが回ってきそうな雲行きなのだ。