
蝶野正洋『黒の履歴書』~プロレス界はひとつの時代が終わり“勝負”の年に
年始からプロレスのビッグイベントが続いている。
1月1日にはNOAHの日本武道館大会が開催された。目玉は2月に引退する武藤敬司の化身であるグレート・ムタと、いまやWWEのスーパースターとなった中邑真輔のシングルマッチ。それぞれが独特の世界観を醸し出して大きな話題となっていた。
【関連】蝶野正洋『黒の履歴書』~今後日本に求められる自主性 ほか
一方で注目を集めたのが第5試合にサプライズで出場した馳浩先生。コンディションはよさそうで、ジャイアントスイングも繰り出すなど大暴れしたそうだ。
ただ、馳先生は石川県知事という要職に就いているから、ケガでもしたらどうするんだという批判的な記事も出ていた。
俺は別に構わないと思う。確かにプロレスは激しい運動を伴うし、ケガのリスクもある。だけど、それは野球だろうがマラソンだろうが同じこと。公務がない休日に、出来る範囲で好きなことをやるくらいは問題ないんじゃないかな。それをあえて強行してくれた馳先生は、さすがだよ。
そして1月4日は、毎年恒例の新日本プロレス東京ドーム大会。俺はテレビ中継の解説者として、現地で観戦させてもらった。
この日も武藤さんのカードが組まれていて、棚橋選手、海野選手という世代の違う選手とタッグを結成。この試合が武藤さんにとって最後の新日本プロレス出場になるそうだけど、若い選手たちに囲まれて、さすがに窮屈そうだったね。
セミファイナルは、ウィル・オスプレイとケニー・オメガという、外国人選手同士の頂上決戦。お互いに死力を尽くし、流血も辞さない過酷な試合となった。
世代も業界も飛び越えるスターの存在
トップ外国人対決というのは、意地の張り合いになりがちなんだよ。俺たちの世代で言えば、1990年の東京ドームで行われたスタン・ハンセン対ビッグバン・ベイダー。結果は両者リングアウトだったけど、ベイダーは右目を眼窩底骨折してしまうほどの激しいぶつかり合いを展開した。外国人選手にとって、日本でトップを張ることは一つのステータス。それに加えて、日本人選手には負けないというプライドもあるから、歴史に残るような試合になるんだと思う。
メインは、オカダ・カズチカ対ジェイ・ホワイト。こちらは正統派の試合だった。ホワイトはテクニシャンでいい選手なんだけど、見てるとイライラするんだよ。俺とファイトスタイルが似ているともいわれるんだけど、俺はこんなにイライラさせてたのかな(笑)。
今回のドームは「アントニオ猪木追悼大会」という冠がついていた。だからこそ、もう少しスケール感が欲しかったね。
やっぱり業界を飛び越えるようなスーパースターがいないんだよ。オカダ選手が現在のプロレス界のトップであることは認めるけど、他のジャンルと比較するとまだ突き抜けてない。
オカダ選手に、いま以上の存在感を求めていくのか、それとも次のスターを育てなきゃいけないのか。それを具体的に考えていく時期かもしれない。
猪木さんが亡くなったということは、一つの時代が終わったということ。さらに武藤さんが引退したら、俺たちの世代もひと区切り。
否応なく時代は変わっていく。プロレス界がその変化についていけるか、勝負の年になると思うよ。
蝶野正洋 1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。
合わせて読みたい
-
巨人・大城卓三トレードか? 出場機会のない“打てる捕手”放出で岡本和真の穴埋め画策
2025.06.14 スポーツ -
水卜麻美アナが日テレ退社へ 夫・中村倫也の説得で『24時間テレビ』が花道に?
2025.05.11 芸能 -
河合優実の評価爆上がり! 業界人も太鼓判「演技に艶がある」「現場の雰囲気がいい」
2025.06.29 芸能 -
春ドラマは期待ハズレ? 最後までつまらなかった春の残念ドラマまつり
2025.06.25 エンタメ -
“ポスト柳田”はヌートバー!? 孫正義オーナーが画策する「マイコラス作戦」
2025.06.28 スポーツ -
旧ジャニーズ性加害問題 V6メンバー候補だった男性が実名で被害告白 補償対象外に異議
2025.06.21 芸能 -
『Lapis』小林史緒里が語る「隙間を背負っていく」覚悟 アイドルになったキッカケと今後の目標
2025.06.29 芸能 -
田淵幸一“屈辱のトレード”全舞台裏 本人も知らない妻の一言「関東の球団がいい」
2025.06.29 スポーツ -
自民党を38年ぶりに野に突き落とした“功労者”細川護熙政権と何だったのか?
2025.06.30 -
西武が所沢から撤退か 新庄監督も賛同する“岐阜への本拠地移転”説
2025.06.08 スポーツ
合わせて読みたい
-
巨人・大城卓三トレードか? 出場機会のない“打てる捕手”放出で岡本和真の穴埋め画策
2025.06.14 スポーツ -
水卜麻美アナが日テレ退社へ 夫・中村倫也の説得で『24時間テレビ』が花道に?
2025.05.11 芸能 -
河合優実の評価爆上がり! 業界人も太鼓判「演技に艶がある」「現場の雰囲気がいい」
2025.06.29 芸能 -
春ドラマは期待ハズレ? 最後までつまらなかった春の残念ドラマまつり
2025.06.25 エンタメ -
“ポスト柳田”はヌートバー!? 孫正義オーナーが画策する「マイコラス作戦」
2025.06.28 スポーツ -
旧ジャニーズ性加害問題 V6メンバー候補だった男性が実名で被害告白 補償対象外に異議
2025.06.21 芸能 -
『Lapis』小林史緒里が語る「隙間を背負っていく」覚悟 アイドルになったキッカケと今後の目標
2025.06.29 芸能 -
田淵幸一“屈辱のトレード”全舞台裏 本人も知らない妻の一言「関東の球団がいい」
2025.06.29 スポーツ -
自民党を38年ぶりに野に突き落とした“功労者”細川護熙政権と何だったのか?
2025.06.30 -
西武が所沢から撤退か 新庄監督も賛同する“岐阜への本拠地移転”説
2025.06.08 スポーツ