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JRA重賞『東海ステークス』(GⅡ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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先週の日経新春杯は、乗り替わりやトップハンデが不安視されたイーガン騎乗のヴェルトライゼンデが快勝。今年の目標のはずのGⅠ制覇に視界良好で、私も〝映画連想馬券〟で推した甲斐があった…と、そこまではいいのだが、2着がなあ…典型的なヒモ大荒れの結果で悔しい思いをした。何と、10番人気キングオブドラゴンが粘り込むとは…絶句であった。鞍上の坂井瑠は好きな騎手だが、さすがに穴馬に推せなかった。結果、微差で1番人気となった伊藤ロバートソンキーは地味な鞍上が慣れない人気に戸惑ったのか、5着に敗退。3着松山プラダリア、4着武豊ヤマニンゼストと来て、絵に描いたような「1頭、余計なのがいるよ…」と競馬を始めて半世紀、これまで何百回、何千回呻いたか分からないおなじみのフレーズが飛び出す情けなさであった。

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情けないついでに話せば、同時開催の中山・京成杯も勝った横山武ソールオリエンスを軸にしながら、〝1頭余計な〟石川オメガリッチマン(ダントツのペケ人気)が突っ込んできて、こちらも1、3、4着の憂き目に…「神よ、無情ですぞ!」(byジーン・ハックマン『ポセイドン・アドベンチャー』)と嘆き、これもまた壊れたテープレコーダー状態の私であった。

ところで、前出のイーガンをはじめ新参外国人騎手が奮闘する中、気になるのがJRA外国人騎手のルメール大将だ。始動した9日から先週日曜日中山6レースまで未勝利どころか、けっこう有力馬に乗りながら10回以上連続で馬券に絡んでいなかった、という異例中の異例の事態となった。このまま1月は未勝利とか…と悪い予想をしていたら、やっとこさ7レースの単勝2倍弱の馬でめでたく今年初勝利を挙げ、次のレースも勝ち一気に〝両目を開けた〟のはさすがだったが、メーンの京成杯では1番人気で無念の3着と、まだエンジン全開とはいかない。先週も「このままでは、リーディング争いに加われるのか? 今年の大将の成績が気になるところ」と当コラムに記したが、今年は特に、ルメール騎乗馬の取捨が難しい。今のところイクイノックスだけでしょ、安心して見ていられるのは、ね。まだまだ老け込む齢じゃない。頑張れ、ルメール大将!

“映画連想馬券”の本命はクリノドラゴン

今週はGⅡが2つ。知名度ではAJC杯だろうが、ヘソ曲がりなので、あえて〝裏街道〟の東海Sをチョイス。いかにも荒れそうなレースだが、意外と1番人気が奮闘している。過去10年間で9回馬券に絡んでいるのだから、ほぼ〝鉄板〟か。その代わり、今回も〝ヒモ荒れ注意報発令〟の雰囲気がプンプン。軸は、その1番人気候補の川田ハギノアレグリアスで良いと思うが、ヒモは迷うところ。中京得意の福永ハヤブサナンデクン、ご贔屓松山のディクテオン、年明け好調な武豊騎乗のクリノドラゴン、調教が良かった鮫島駿スマッシングハーツ、注目の外国人騎手が乗るイーガンのウェルカムニュース、ムルザバエフのプロミストウォリアまでか。一昨年の覇者で昨年2着の団野オーヴェルニュは人気になるだろうが、3年連続馬券に絡むとも思えず、昨年終盤のGⅠ連戦の疲れもあり、上がり目は? と見て軽視したが、いかがか。

さて〝映画連想馬券〟だが、クリノドラゴンから、有名な『燃えよドラゴン』(73年)を。なぜなら今年は〝ブルース・リー急死〟から半世紀、丁度50年の節目の年だからね。怪鳥音と呼ばれた〝アチョ~!〟の叫び一閃、電光石火で相手を倒す超絶クンフー技に、みんな夢中になったものだ。彼の死は今も謎とされており、遺児ブランドン・リーも亡き父を追ってスターダムを駆け上がっていた時、撮影中の拳銃事故(こちらも謎が多い)で若死しており、どうも因縁めくし、いわゆる陰謀論も根強く語られてきた。さて〝ブルース・リー50年忌〟の年にドラゴンが吠えるのか? そういえば、冒頭記したように先週の日経新春杯の2着にキングオブドラゴンがアチョ~と来たもんなあ…歴史は繰り返す。2週続けてアリ?

買い目は、川田騎乗の④から①⑦⑩⑪⑫⑬へ馬連&3連複。〝映画連想馬券〟で狙ったので、ドラゴン⑫から①⑦⑩⑪⑬へ馬連だけ押さえてみよう。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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