(画像)Krasula/Shutterstock
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EV車の主流が変わる!? 業界大混乱「BEV」の絶望的な状況とは…

2023年はBEV(=バッテリー式電気自動車)が次世代自動車の主流となるかどうか、その真価が問われる1年となりそうだ。


というのも、現在水面下では世界的に「BEVの限界」がトレンドとなりつつあるからなのだ。自動車業界関係者がこう話す。


【関連】メルセデス2030年新車販売「完全EV化」表明も…“節電”志向で風向き変わる? ほか「ガソリン車に代わる次世代自動車として、世界中の政府や自動車メーカーがBEVシフトを打ち出したのは、一昨年のこと。ところが、ロシアによるウクライナ侵攻などにより、世界の貿易がグローバルから安全保障へと切り替わる中、BEVのバッテリー原材料となるコバルトの供給が中国への依存過多で、大きな壁にぶち当たっているのです」

ヨーロッパでは“FCV”に立ち返り!?

ある自動車評論家によると「実は、昨年後半からヨーロッパの自動車メーカーは、改めて水素を使ったFCV(燃料電池車)に立ち返る動きを見せている」という。理由はBEVの製造と安定的な供給が、絶望的な状況が分かり始めたからなのだ。

また、理由は他にもあるという。


「実は、BEVは1950年代の技術でも造れるもので、決して先進性の高いものではありません。スカイラインを生み出した『プリンス自動車工業』(66年に日産自動車と合併)の前身は『たま電気自動車』という電気自動車メーカー。同社がガソリン車生産に切り替えたきっかけは、第二次大戦後のガソリン供給の安定と朝鮮戦争のあおりを受けたバッテリー原材料の高騰が理由です。つまり、皮肉にも同じ理由で今再びBEVの開発・進歩に陰りが見え始めているのです」(前出・自動車業界関係者)


今年はBEVが次世代EVの主流となるか、それともFCVシフトへのターニングポイントとなるかが、見ものと言えそうだ。