小池百合子 (C)週刊実話Web
小池百合子 (C)週刊実話Web

「少子化対策に5000円」で岸田総理に圧勝!? “策士”小池都知事が狙うは国政復帰か

「寝耳に水だ。何も聞いてないぞ!」


「またしても、小池にしてやられた」


1月4日、仕事始めの官邸周辺ではこんな怒号が飛び交った。事の経緯を全国紙政治担当記者が解説する。


「岸田文雄首相は4日、年頭記者会見で今年の政策課題の柱として、昨年の出生数が80万人を切ったことを念頭に『異次元の少子化対策に取り組む』と大見得を切った。ところが、この会見と前後して都庁では小池百合子都知事が仕事始めの記者会見に臨んだ。そして、出生率アップ策として都の子供全員に一律5000円を毎月支給する案をぶち上げたのです。『やるぞ』と掛け声だけの岸田首相、対する小池都知事は現ナマ5000円。どっちにインパクトがあるかは歴然なだけに、官邸周辺が大騒ぎになったのです」


【関連】小池都知事が岸田首相に挑戦状!? “コロナ全数把握”見直しを真っ向から反発 ほか

官邸周辺が大騒ぎ、疑心暗鬼になった真相については後に触れるとして、本誌が5000円について都の担当部局に問い合わせると「知事会見のみで具体的には何も聞いてない。予算措置となれば、都議会の承認も必要と思われます」と困惑気味の回答だった。


ここで小池都知事がぶち上げた「5000円支給」を整理してみよう。都知事会見の内容を踏まえると、おおよそ次のような概要となる。


○少子化対策として0〜18歳までの都在住の子供に2023年度から毎月5000円を支給する


○都の0〜18歳の人口は約194万人(2022年1月時点)で、年間予算は約1200億円になる試算だ。


「年間1人6万円、0歳児が18歳になるまでの支給額はトータル108万円です。家庭に2人の子供がいれば、月1万円の支給となる。5000円は地方と比較して東京の物価やコストを勘案して弾き出した数値です。支給対象に親の収入の上限は設けない。これは多額の税金を納めている高収入の親を〝排除〟すると、不公平感が強くなると判断したためと思われます」(テレビ局都政担当記者)


12日にも〝第2子〟の保育料無償化には10月スタートで役110億円を投じると明らかに。出会いから結婚、妊娠、出産、子育て、すべてのステージでチルドレンファーストの視点で切れ目なく幅広く支援する…と結婚相談事業や卵子凍結等、助成を拡充する方針を示した。

今年は重要な1年になるはず

一律5000円支給には都民や各方面からはどんな反応が寄せられているのか。

「一時的な措置でなく、毎月5000円、18歳までという継続性に『ありがたい』『助かる』という声が多い」(都議会関係者)


「無策のばらまき、都民の血税が小池都知事のパフォーマンスに使われている。要は、1人につき5000円ばらまいても少子化解決策にはつながらない」(別の都議会関係者)


こうした賛否の声とともに、もう一方で上がっているのが「なぜ、小池都知事はこのタイミングで1200億円もの血税を投じる大胆策を打ち出したのか。政治的思惑がプンプンする」というものだ。


「昨年、小池氏は元気がなかった。というのも、小池氏自身が後見する地域政党『都民ファーストの会』代表だった荒木千陽氏が昨夏の参院選に出馬したが、落選。また、昨年秋には都立高校の入試で使う英語のスピーキングテストをめぐる条例案絡みで都民ファースト議員3人が造反、除名処分が出されるなど足元はボロボロ。陰では小池氏の影響力の衰えが指摘されていた」(自民党関係者)


だが、今年は小池都知事にとって将来を見据えるうえで重要な1年となる。来年7月に都知事選があるからだ。3選に向けてなのか、小池都知事が政策の柱として力を入れているのがエネルギーと少子化問題だ。


「都知事選が予定される来年7月に小池氏は72歳。健康に支障をきたさない限り政治家引退はまずない。そうなると、小池氏は知事3選か国政復帰か、天秤にかけながら今年1年何をすべきか用意周到に進めている」(前出・政治担当記者)

チャンスはなんでも利用する

柱の一つ、エネルギーでは昨年末の都議会で都内新築住宅屋根に太陽光パネル設置義務化の条例案を可決(2025年4月施行)させた。

「昨年11月には、都議会での条例可決に自信があったのかエジプトで開催されていた『COP27』に乗り込み、太陽光パネル設置義務化への取り組みを世界に猛アピールした。一方で、もう一つの柱、少子化対策をどうするか考慮していた」(前出・都政担当記者)


さて、官邸周辺が大騒ぎした真相だ。自民党長老が小池都知事の〝策士〟ぶりをこう分析する。


「官邸側近らが今回の5000円支給を〝寝耳に水〟と大騒ぎしているのは、小池氏に通じる人物が官邸内にいて、岸田首相が少子化対策を目玉にすることをリークしていたからだ。以前から少子化対策アピール方法を熟考していた小池氏はこのチャンスを利用、岸田首相と同じテーマで一気に具体的な『5000円支給』をぶち上げ勝負に出た。抽象論しか口にしない岸田首相とは明暗が分かれ、『具体的に少子化対策のできる小池を国政に』の空気も出始めた。第1ラウンドは完全に小池氏の圧勝だ」


自民党長老によれば、小池都知事は〝日本初の女性首相〟を睨み国政復帰を果たすと見ている。分岐点は来夏の都知事選だ。


「小池旋風が巻き起こる機運がなければ、都知事3選に軸足を変える小池二刀流の構えだろう」(同)


小池都知事は2024年、6回目の年女を迎える。来年のことを言うと小池が笑う?