三が日も終わり、いよいよ初出勤を迎えた方も多いだろう。
都市部では、再び通勤ラッシュが始まるわけだが、近年は〝新型痴漢〟が増えているというから要注意だ。
特に、SNSで連絡を取り合った者同士が示し合わせて朝の通勤電車に同乗。狙った女性に対して複数人で痴漢する悪質なケースが増えている。
昨年9月、「JR埼京線」最後尾の車両で、通勤途中の女性が被害に遭ったケースが典型だ。
5人くらいの男に不自然に囲まれた女性は、2人の男から前後を挟む形で同時に痴漢被害を受けた。男2人に面識はなく、他の3人は〝目隠し〟の役割を果たしていたものと思われる。
朝の満員電車の痴漢行為は、昭和の時代から社会問題化しているが、最近は手口も「進化」しているという。
「最近は、直接身体をさわるような典型的な痴漢ではなく、〝自然を装った痴漢〟も急増しています。具体的には、女性の身体の匂いを嗅ぐ、首筋などに息を吹きかける、わざとカバンを女性の胸や局部に押し当てるなど、直接さわらないのが特徴。女性側も『もしかしたら偶然かも?』と思うレベルでは被害を訴えにくく、泣き寝入りするケースが増えているんです」(わいせつ犯罪に詳しい事件記者)
車両に防犯カメラが設置されても…
街中で、障がいがあるふりをして、手助けをしてくれた女性の身体を触るという悪質なケースまで報告されている。こうした〝新型痴漢〟とも言える被害に遭った女性に話を聞くと、巧妙な手口だったと憤る。
「電車でつり革を持って立っていたら、後ろからカバンでお尻をグイグイと押されたんです。混雑していたので、最初は偶然かと思ったのですが、明らかに意図的に押していて…。そのうち脚の間にカバンを差し入れようとしてきたので、次の駅で降りて、急いで車両を変えましたよ。あれは、明らかにわざとだったと思う」
2019年には、私鉄の駅構内で、男が女性の髪の匂いを嗅ぐような行為をして迷惑防止条例で検挙された例もある。
「ただ、いまだに〝冤罪〟が多いのも事実。電車の車両にも防犯カメラが設置されるようになってはいますが、ぎゅうぎゅう詰めの車内で、頭は映っても、肩から下で何が起こっているかまでは分かりづらい。やはり、完全に男女で車両を分けるのが理想ですが、今はLGBTQ+(性的少数者)などの問題もあり、なかなか現実的には難しい」(前出・事件記者)
直接さわらない〝新型痴漢〟が増えると、冤罪も再び増えそうだ。
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