鶴の一声ならぬ〝老人の一声〟で公園が閉鎖されてしまうことになり、物議を醸している問題。現地を取材すると、意外な事実が見えてきた。
問題の公園は、長野県の長野市にある「青木島遊園地」。たった一軒の近隣住民からの「子どもの声がうるさい」という苦情をきっかけに、長野市が公園廃止を決めてしまったのだ。
実際、2023年3月に廃止される予定だが、今年12月23日には、市民団体が公園存続のために署名活動を始め、ネットも炎上する事態となっている。
「炎上騒ぎにまで発展したのは、苦情を言っていた老人が、国立大学の名誉教授だったからです。SNS上では《役所が上級国民に忖度したのではないか》といった怒りのコメントが溢れ、教授に対する誹謗中傷が相次いでしまっているんです」(取材記者)
この名誉教授は、近隣の保育園や小学校ともトラブルを抱えていたため〝クレーマー体質〟だと見られてしまったことも、火に油を注ぐ格好となった。
しかし、近隣住民などに話を聞くと、名誉教授だけでなく、むしろ「奥さんの方が神経質だったのではないか」という声が相次いだ。
ボール遊びの児童の手を引っ張り…
奥さんと一緒にボランティア活動をしたことがあるという近隣住民は、
「子どもの声がとにかく気になると言っていました。普段は普通の方なんですけど、子どもに対する文句に関してだけ、ちょっと異常かなとは思っていました。文章に携わる仕事をしていて、少し神経質な方なのかもしれないです」
公園に隣接している児童センターの関係者は、駐車場の使い方を巡ってトラブルがあったと漏らす。
「毎年5、6回くらいかな。『エンジンのアイドリングがうるさい』と、奥さんが注意をしに来るんですよ。怖くはないけど、執拗というか…。物腰は柔らかく、丁寧な感じなんだけど、とにかくしつこくて」
別の近隣住民は、公園で子どもを注意をする奥さんの姿を見ていた。
「ボール遊びをしている子どもを見つけて、『ボール禁止』と書かれた看板のところまで手を引っ張っているところを見ました。小学3年生くらいでしょうか。ちっちゃい男の子です。キャッチボールをしてたんだと思います。子どもからしたら怖いですよね」
そもそも、公園廃止のきっかけになった苦情というのも、奥さん主導だったのではないかという近隣住民もいる。
「ご主人が、『子どもの声がうるさいから、静かに遊ばせることを考えてくれ。それがあなたたちの教育じゃないの?』と、引率の先生に迫った。奥さんもうるさく感じていたようで、2人で相談して、ご主人に注意してもらうことに決めたそうです」
ただ、市から近隣住民に対して「公園建設に関する事前の説明」がなかったということも事実。杜撰な市の対応にも問題があったことは間違いない。
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