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JRA重賞『有馬記念』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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大混戦! 阪神JFと同じくヒモ荒れ? との下馬評だった先週の朝日杯FSも終わってみれば、1、2、3着がキレイに1、2、3番人気の堅すぎる決着となるのだから、的中しても「嬉しさも中くらいなり、朝日杯」とまず一句。〝魔の1番人気〟のジンクスもどこへやら、2週連続の勝利は今年初で、今週の有馬記念でも継続しそうな気配ではある。いずれにしても当方の馬券は本線的中とはいえ配当が安っ。居酒屋でチョイ呑み程度、雀の涙プラス。でも、これで有馬に向けて、勢いは付くというものだ。

朝日杯を振り返れば、坂井ドルチェモアはテン乗りも、1番人気の重圧も関係なく堂々の勝利で、今年最も成長した若手の一人となった。私もさらに惚れ直した次第だ。2着の川田ダノンタッチダウンも追い込み届かずだが、立派。3着横山武レイベリングも、わずか1戦でGⅠで馬券になるのだから、伸びシロは無限大かも知れない。後続を1馬身以上離したこの3頭の来季の成長に期待したい。

さて、いよいよ今年の総決算・有馬記念だ。このあとホープフルSが残っているとはいえ、シメは有馬! が長年の競馬ファンの習いだろう。私のようなジャンプ好きは、中山大障害もウラ総決算レースとしてお忘れなく、と小声で呟いてみたりして…。

何はともあれ、お世話になった馬を買うのが、1年の総決算レース・有馬記念の〝正しい〟買い方だと思っている。2020年は、同年に穴馬券を何本も取らせてくれて、〝私の心の年度代表馬〟となった松山サラキアを信じて買って、2着に食い込む大善戦で馬連万馬券&3連複高配当で大儲けとなった。21年も、お世話になった和田竜ディープボンドも買って、好配当にありついた。今年は、「3歳馬が強い!」というのが、強烈な印象として残る。その大将格は、古馬相手に天皇賞・秋を制したイクイノックス! 春2冠はレースのアヤで負けたが、1着馬との差はコンマ1秒内だもの。ダービーでもトゥデュースと接戦を繰り広げ、当日誕生日だった私の馬券に寄与してくれたっけ。天皇賞・秋での、もう絶対届かないような位置からパンサラッサを捕らえた脚は〝超絶〟だった。

“映画連想馬券”の本命はブレークアップ

対抗は海外遠征ではヘグったが、今年国内無双の横山和タイトルホルダー、と言いたいところを、敢えて〝有馬〟は昨年凡走だし、中山不適では? と多少クレーム付けて、ヴェラアズールにしたい。京都大賞典、ジャパンCでお世話になった。前走で乗り替わり無念のご贔屓松山に手が戻り、彼としても燃えるものがあろう。横山武エフフォーリアは、昨年の〝有馬〟で前記のわがディープボンドを引き連れて優勝した馬だが、今年はGⅠを2戦とも案外で、調子落ちなのか、と気に掛かる。かつて〝復活〟が有馬のテーマだったこともあるが、それは20世紀のお話だろう。〝牝馬の鉄〟としては、やはりネーちゃんも入れたい。心情的には1枠の2頭だが、さすがに無理か。ここはジェラルディーナに代表してもらおう。一方、ポルトクフージュは菊花賞でわがアスクビクターモアとお手々つないで(?)馬連確保。3着ジャスティンパレスも3連複に寄与したが、今回は、来日以来重賞で連対していないマーカンド騎乗が気掛かりだが…。

あとは〝時事馬券〟でいえば、W杯決勝はフランス対アルゼンチンで、後者が勝利…ってことはアルゼンチン共和国杯優勝馬の戸崎ブレークアップがクサい? フランス出身のルメールと一緒に来れば、まさに〝W杯馬券〟。ただ8枠15番枠がチト辛いか。同じく8枠のディープボンドは敢えて外す。主戦の和田竜が乗らない(ウインマイティーに騎乗)からで、乗り替わる川田に何の不足が? と言われそうだが、この馬とも、このレースとも相性が悪そう。

さて、〝映画連想馬券〟だが、ブレークアップのアップをアウトに変換し『ブレイクアウト』(74年)を。往年のアクション・スター、チャールズ・ブロンソンが、冤罪の男を刑務所から逃がす脱獄ものだ。実話の映画化だが、当然のごとく娯楽映画仕立てだけに大いに楽しめた。舞台は中米メキシコ、同じラテン系なので、南米アルゼンチンにエールを! ということで、よろしく。

買い目は⑨から③⑤⑥⑩⑬⑮馬連&3連複へ。⑦は迷った末に前記の理由で落とした。⑥⑨、⑨⑬の馬連、2頭縛り3連複は厚目。万が一の⑨連対外れを用心し⑥⑬、両馬から印の馬への馬連も少々。一昨年、昨年と的中だけに、〝有馬ハットトリック〟で有終の美を!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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