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『令和の“応演歌”』山内惠介~本当の意味での国民的歌手になりたい(後編)

山内惠介
山内惠介 (C)週刊実話Web

――前編では、デビュー直後の話や今年リリースした『誰に愛されても』を通じ、歌へ〝真心〟を持って向き合う姿勢などを聞きました。NHK紅白歌合戦も、2015年から今年で8年連続の出場が決まりました。初出場時のことを覚えていますか?

山内 初出場までデビューから15年掛かりました。初出場時は本番の約5時間、トイレへ行かなかったほどです。それくらい時間を惜しみ、会場に駆けつけてくれた両親の姿や出演者の方々など、すべてを目に焼き付けていましたから記憶は鮮明です。しかも、11月の記者会見から大晦日の本番までのすべてです。

――それほど紅白は特別な舞台ということですか?

山内 そうです。紅白は、やはり他の歌番組と違いますし、賞レースでもない。今年もそうでしたが、出場歌手が発表されると毎年、友人や知人、お仕事関係の方々から「おめでとう」とたくさんの連絡をいただきます。それだけ国民的な番組なんだと感じます。今年から来年に掛けての架け橋になるような大晦日の舞台で、歌と笑顔を日本全国のみならず、海外へも届けられるのは幸せです。ですから、一番の衣装と笑顔で出場したいと考えています。

――今年はどんな衣装で出場するんですか?

山内 今年は緑が流行色だったこともありますし、幼い頃からの憧れである美空ひばりさんも僕も5月生まれなんです。5月の誕生石は、エメラルドで緑色なんですね。グリーン系の衣装になるかどうか、それは当日まで楽しみにしていてください(笑)。

イメージを良い意味で覆したい

――紅白にも慣れてきたとは思うのですが、今年は趣向を凝らしてみようというのはあったんでしょうか?

山内 これまで「挑戦」というと、ありきたりに感じ、口にしてこなかったんです。でも、今年、ファンの方々は何を求めていらっしゃるのかと考えたんです。そこで「挑戦」の二文字が頭に浮かびました。とりあえず、何でも挑戦してみようと。

新曲はもちろんのこと、やはり皆さんの中の「山内惠介とはこういう歌手だよね」というイメージを良い意味で覆すような、サプライズを起こしたい。そのためには、スタッフやファンの方も含めた身内をまずはハッと驚かせたいですね。

――今年39歳、まだ先の長い歌手生活だと思います。目指すべき歌手像は?

山内 あと3年でデビュー25周年を迎えます。その年には、ちょうど『大阪・関西万博』が開かれるんです。三波春夫さんらが1970年の大阪万博のテーマソング『世界の国からこんにちは』を歌い、今でも皆さんの記憶に残っているように、今回の万博の曲を僕が歌えたら最高だなと思います。

そのためには、やはり国民的な歌手にならなければいけない。歌は、街を盛り上げる役割や、その時代を想起させる役割もあると思うんです。ですから、本当の意味での国民的な歌手になりたいんです。

また、僕は演歌歌手です。演歌歌手だけでなく、さまざまなジャンルの歌手の皆さんと肩を並べたときに、ボーカリストとして勝負できることも重要だと考えています。他ジャンルのボーカリストに交じっても、山内惠介は「いい曲を歌うよね、やはり唯一無二の声だよね」と皆様に思っていただけるような歌手になれたら嬉しいですね。

やまうち・けいすけ
1983年5月31日生まれ。福岡県糸島市出身。2001年『霧情』でデビュー。2015年からNHK紅白歌合戦に連続出場中。今年3月『誰に愛されても』をリリース。

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