蝶野正洋 (C)週刊実話Web
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蝶野正洋『黒の履歴書』~マッチメイクの楽しみ方

まだまだ新型コロナウイルスには警戒が必要だけど、世の中的には3年前の日常に戻りつつある。イベントなども通常開催されるようになり、俺もいろいろ参加させてもらっている。


ここ最近で印象深かったのは、国立代々木競技場第一体育館で開催された『シンニチイズム ミュージックフェス』だね。これは新日本プロレスが主催したライブコンサートで、生バンドでプロレスラーの入場曲を演奏して、ゲストのレスラーたちが音楽に合わせて入場するという趣向。試合は一切ナシというのが画期的だった。


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俺はレジェンド枠で呼ばれていて、先に入場した藤波さん、長州さん、武藤さんに続いて『FANTASTIC CITY』と『CRASH』の2曲が鳴り響く中、リングインした。


それから4人のトークショーが始まる流れだったんだけど、場内が明るくならない。するとギターの音が何かを促すようにピーンピーンと鳴っていて、それでアッと思い出して俺と武藤さんで天を指差すと、橋本真也選手の入場曲『爆勝宣言』の演奏がスタートした。曲を鳴らすキッカケとして「入場したら天を指差してください」と言われてたんだけど、すっかり忘れてしまっていてね(笑)。


それから無事にトークショーは始まったんだけど、武藤さんも長州さんも勝手に喋るからまとまらない。残り時間があと1分ということになり、司会のアナウンサーから「全員に感想をお願いします。まずは蝶野さん」と振られて、これ絶対間に合わないと思い俺は「藤波さんで締めてください」と丸投げして、それで時間ピッタリに終わることが出来た。

コラボ=マッチメイク

バックステージでも、レジェンドはみんな自由。若い選手たちも挨拶に来てくれたから、彼らともコミュニケーションを取りたかったんだけど、レジェンドたちはせっかくだからとみんなでYouTube用の動画を撮り合ったりしていた。あとでアップされると思うから、ぜひ見てほしいよ。

幕張メッセで開催された『東京コミコン2022』にも出演した。ハリウッドスターがたくさん来日してファンと親睦を深めるというイベントだったんだけど、そこの会場にもリングが組まれていて、俺はアントニオ猪木さんの弟である啓介さんとトークショーをした。


俺は啓介さんとは接点がなくて、ちゃんと喋ったのもこの場がほぼ初めて。これもせっかくなので、いろいろ話を聞かせてもらった。


猪木さんは11人兄妹で、一番上の長男は98歳でまだご存命だとか、猪木さんのご両親のこと、その猪木家が横浜の鶴見あたりに住んでいた時代の危なっかしい話とか、いままで聞いたことのないお話をたくさん披露していただいた。


最初はどうなるかと思ったけど、俺もお客さんにとっても新鮮だったし、やっぱりこういうトークショーもマッチメイクが大事だなと改めて感じたよ。


YouTubeの世界では「コラボ」という言い方をするけど、あれも要はマッチメイク。これは面白くなりそうだなというカードが組めたら、その動画の再生数も上がるんだよ。


年末年始でいろいろなイベントに行くという人も多いと思うけど、このマッチメイクという見方で捉えると、楽しめるはずだよ。
蝶野正洋 1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。