(画像)Space Images / shutterstock
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『介護保険』負担割合の見直しに批判も2025年には“要介護者600万人超”の背景

3年に一度の介護保険制度の見直しで、介護サービス利用時の負担額が論議されている。2割の自己負担対象を増やす方向で進められており、介護保険法が改正されれば、介護難民続出は必至。庶民から反対の声が上がっている。


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国の『社会保障審議会』(厚生労働相の諮問機関)の部会が審議している主な課題はケアプランの有料化、要介護1・2の訪問介護や通院介護を介護保険から切り離し市町村が行う総合事業に移行することなどだ。


「利用者にとって直接、影響が大きいのは2割負担の対象拡大です。例えば、週2回のデイサービスと週1回の訪問介護を1割負担で約1万円払っていた家族が、2割負担になるとデイサービスを1回しか受けられない。在宅に限らず、経済的な理由で特別養護老人ホームなどへの入居を断念せざるを得ない家庭も出てくる。2割負担拡大は介護が必要な高齢者を抱える家庭の生活を破綻させますよ」(都内のホームヘルパー)

『団塊世代』すべて75歳以上になったら…

介護保険の利用料は、2000年度の制度開始から1割負担が原則だった。2015年に一定所得以上の人は2割負担となり、現役並みに所得が高い人は18年から3割負担が導入されている。

『全日本民主医療機関連合会』(全日本民医連)は、9月中旬から10月にかけて施設入所者と在宅サービス利用者を対象に緊急調査を行った。まず施設入所者514人が回答した結果は、利用料が2割負担になった場合でも本人負担で「今まで通り入所を続ける」37.9%、「家族の援助を受けて入所可能」31.5%。「施設を退所、もしくは退所を検討する」は13.0%だった。


一方、在宅サービスの利用者は1097人が回答。「サービスの利用回数を減らす」、「サービスの利用を中止する」などの回答は34.4%も占めた。


「2025年には団塊世代がすべて75歳以上になる。厚労省は要介護者が600万人を超すと見ている。要介護1・2の市町村移行は見送られる方向だが、2割負担拡大の法改正が可決されれば、介護難民急増は避けられない」(全日本民医連関係者)


改悪は阻止すべし。