「小選挙区」新区割りめぐり自民党が“分裂”!? ポスト岸田への権力闘争ぼっ発か
衆院選の小選挙区で当選得票数に大きな開きがある「1票の格差」是正問題。主に都市部と地方に格差が生じていたわけだが、それを公平にするため、小選挙区を「10増10減」で区割りする改正公職選挙法が今国会で成立(11月18日)、12月28日から施行される。
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それに伴い自民党内では次の総選挙の公認をめぐり、岸田文雄首相の地元広島県、安倍晋三元首相の山口県、二階俊博元党幹事長の和歌山県など各地で主導権争いが勃発している。
まずは岸田首相のお膝元の広島。広島は現在の7選挙区から6選挙区に減少する。そのため現4区(東広島市など)と現5区(呉市、竹原市など)が統合し、新4区となる。ここで問題になっているのは、現5区選出の寺田稔前総務相と現4区選出の新谷正義元総務副大臣の調整だ。
「寺田氏は当選6回で、新谷氏の4回を上回る。しかも、寺田氏は岸田派で首相の右腕とみられてきた。また、寺田氏の妻は岸田派=宏池会を創設した池田勇人元首相を祖父に持つ。第2次岸田改造内閣でも寺田氏は総務相に起用された。これで新4区の公認争いは『寺田で決まり』とされてきたんじゃ」(広島県議)
ところが、寺田氏優勢の流れは一変する。寺田氏は事務所賃料など次々と政治とカネをめぐる疑惑が国会で追及され大臣更迭。新4区公認争いでも「寺田じゃダメじゃ」の声が地元から噴出し、新谷氏へ追い風が吹いているのだ。
巻き返し計る安倍家の後継者
「新谷氏は周囲に『この地で政治活動を続けたい』と漏らし、新選挙区での戦いに意欲満々。一方、手負いの寺田氏も一歩も譲る気配はない。今後は両陣営で血みどろの仁義なき戦いの様相じゃ。新谷氏は茂木敏充自民党幹事長の派閥だけに首相と幹事長の争いにも発展するじゃろう」(同)7月に銃撃事件で死去した安倍元首相の選挙区がある山口県も10増10減の対象だ。同県内の小選挙区は4から3へ1つ減り、安倍氏が地盤とした現4区の下関市などは3区に組み込まれ、新3区となる。
「ポスト岸田を狙う林芳正外相が昨年の衆院選で参院から鞍替えし、宇部市中心の現3区で当選した。もともと、林外相の父の義郎氏は中選挙区時代に下関市を地盤としていた。安倍氏の父である晋太郎氏とシノギを削り『下関戦争』を繰り広げた。目の上のたんこぶだった安倍氏死去後は、林外相が新3区から出馬する可能性が高まっているものの、安倍家が後継者を立て巻き返しを図り『新下関戦争』が勃発しそうです」(選挙アナリスト)
現職閣僚による減区情勢で言えば、岡山県の加藤勝信厚生労働相も嵐に巻き込まれそうだ。
「岡山も5から4になる。減区対象は主に津山市など3区と笠岡市など5区が合わさる新3区。新3区には、茂木派の加藤厚労相、平沼赳夫元経産相の次男で二階派の平沼正二郎氏、比例選出で無派閥の阿部俊子元外務副大臣の3人がいる。仮に、実績で加藤厚労相が公認となっても、平沼氏は前回無所属で選挙戦を勝ち抜いた。平沼騏一郎元首相の流れを汲む平沼家の牙城は地元でかなり強固。ここも公認争いでひと悶着起きるはず」(自民党関係者)
岸田政権“主流派”と“非主流派”の交流
二階元幹事長の和歌山県も選挙区が3から2に減り、大きな難題を抱える。「世耕弘成参院幹事長が自民党最大派閥の安倍派会長、そしてポスト岸田への野心を持っているからです。そのためにも衆院への鞍替えは悲願。ターゲットは二階氏の選挙区である新宮市など県の大半を占める新2区だ。二階氏は次の衆院選に自ら出馬するか、三男の伸康氏を出馬させるか迷走中のようです。世耕氏と二階家が激突なら安倍派対二階派で修復しがたい大きな亀裂が入り、火の粉は岸田首相にもふりかかる」(同)
内ゲバは自民党内ばかりではない。連立与党を組む公明党が定数増選挙区で候補者擁立を目指しているからだ。
「公明党は次期衆院選で現在の衆院選挙区9議席から10増10減を弾みに、東京など1都3県で議席増を狙っている。背景には支持母体である創価学会の組織力弱体化への焦りがある。今夏の参院選では、昨年の衆院選より約93万票も比例票を減らしている。それだけに公明党も10増10減は組織を立て直す絶好の機会。しかし、自民党も10増選挙区で候補者を擁立する予定。公明党が無理を通せば、連立与党間で抗争が起きる」(前出・選挙アナリスト)
いずれにせよ、10増10減で波及する公認選びの対応を一歩間違えれば、自民党は分裂しかねない。ただでさえ、岸田内閣は「政治とカネ」や「不適切発言」問題で山際大志郎前経済再生相、葉梨康弘前法務相、寺田前総務相と辞任ドミノに見舞われている。現在は秋葉賢也復興相が国会で野党から集中砲火を浴び、内閣支持率は低下の一途だ。
11月30日夜、岸田政権下で主流派の麻生太郎副総裁と非主流派の菅義偉前首相が都内の日本料理店で会食した。2人は安倍政権で共に主流派ながら〝天敵〟と見なされていた。
「師走の永田町では『スワッ、岸田おろしか』と激震が走っている」(消息筋)
首相も減に入っている?
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