両国国技館 (C)週刊実話Web
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いまどき力士は引退後“親方”にはならない!? 相撲界に残りたくても残れない理由

豊山、お前もか。


大相撲九州場所は、平幕阿炎の劇的な下克上優勝で幕を閉じたが、その翌日の11月28日、幕内経験も豊富な十両の豊山が突如、引退を発表した。


29日にオンラインで記者会見した豊山は「腕の痛みが限界を超えた。子供を抱っこするときも腕が痛かった」と引退理由を明かした。やはり、九州場所8日目に引退した元小結の千代大龍も「(7日目の相撲で)体に力が入らず、碧山関に一発で持っていかれて情けなかった。自分の中では100%やったので清々しい気持ちです」と話している。


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やり切ったら、いつまでもみっともない姿をさらさず潔く辞める。勝負師の生き方としては実にあっぱれだが、気になるのはその後の身の振り方だ。


「豊山、千代大龍の2人といい、夏場所限りで引退した元小結松鳳山といい、引退後は相撲協会に親方として残留せず、別社会で生きることを選択した。親方になるには資格がいる。例えば、小結以上の三役を経験する、幕内通算20場所以上、あるいは幕内、十両合わせて30場所以上務めるなどです。この3人は、いずれも親方になる資格を有していた。大相撲界を去るのは非常に珍しい。三役経験者の外部流失は、千代大龍で2000年以降、5人目です」(大相撲担当記者)

能力はあっても年寄株がない

大相撲界は現在、慢性的な指導者不足だ。

「この3人はいずれも大学卒で、自分の出処進退を冷静に見極めたところを見ても指導者として能力があった」(協会関係者)


それなのに、どうして相撲協会を見捨てたのか。


「親方になるには年寄株が必要。現在、105ある年寄株が底を突き、空き株はたった2つだけ。横綱経験者の鶴竜も手に入れることができず、引退して5年間、在籍できるという横綱経験者の特権を活かして現役名のまま親方を続けている。手に入れるのに1億円以上かかる。〝そんなカネがあったら自分に投資する〟と考えたとしてもおかしくない。松鳳山は食のアドバイサー、千代大龍は焼き肉屋、豊山はパーソナルトレーナーを目指すそうですから」(同)


第2の人生もいろいろ。