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『令和の“応演歌”』彩青~師匠を見習ってさまざまなジャンルを歌い分けたい(後編)

彩青
彩青 (C)週刊実話Web

――前編では、幼い頃より唄、尺八、津軽三味線に慣れ親しみ、その後、細川たかしさんに出会い師事するまでを聞きました。高校1年の途中で、北海道から上京し、その後、2019年、16歳にして『銀次郎 旅がらす』でデビュー。デビュー時、細川さんからかけられた印象に残っている言葉はありますか?

彩青 デビューが決まり、全国各地を回ることなどが決まっていく中で、一抹の不安を覚えたのも確かです。そんなとき、細川師匠からは「全力で応援するから、一緒に頑張ろう!」と温かい言葉で背中を押してもらいました。私自身もそう言っていただいたからには、どこまでも師匠に付いていこうと、今もその一心で日々励んでいます。

また、歌手デビューしたからには、売れたい、紅白歌合戦に出場したいなどの大きな目標はあるだろうけれども、その目標は心に秘めつつ、大活躍している先輩たちにすぐに追いつけるとは思わないこと。今年20歳を迎えましたが、10年経っても30歳。その年齢でデビューする方もいる。その間に唄や尺八、津軽三味線という三刀流の芸をとにかく磨いて地道に一歩一歩、歩みなさいという趣旨のことをおっしゃられたのは心に残っていますね。

――デビューしてすぐにコロナ禍に突入してしまいました。

彩青 デビューして約半年後にはコロナ禍に入りましたね。稽古をしようにも、カラオケ店は自粛要請があり、困り果ててしまいました。そんなとき、細川師匠から「苦しい時期だけれども、この時期を成長させる期間と捉えよう」と、師匠のご自宅にある稽古ができるスペースで、毎日三刀流の稽古をする日々でした。この期間に尺八を作ることにもチャレンジしました。

『男はつらいよ』好きで特別PR大使に

――そして、今年4月には『沓掛道中』をリリースしました。どんな曲なのでしょうか?

彩青 三刀流の1つ、尺八を吹きながら歌っている令和版の股旅演歌に仕上がっています。途中にせりふが入っているのも新たな挑戦になりました。

もともと、映画『男はつらいよ』シリーズが大好きなんです。新曲発売のヒット祈願を柴又の帝釈天(東京都葛飾区)で行いました。すると、そんなに寅さんが好きなら…ということで、帝釈天参道商店街の特別PR大使にも任命されたんです。

――まだまだ、これから長い芸能生活だとは思いますが、将来的にどんな歌い手さんを目指しているのでしょうか?

彩青 やはり、細川たかし師匠です。公演では、トークで人に笑いを届け、歌では感動を呼ぶ。私も先日、公演に出演させていただき、花道からも師匠の舞台を拝見しました。そして、改めてその偉大さを実感しましたね。ですから、どこまでも師匠の背中を追って頑張っていきたいですね。

――師匠に追いつくために伸ばしていきたいところとは?

彩青 一番は、歌い込みですね。師匠のすごいところは、演歌だけではなく、すべてのジャンルの曲を歌えることなのです。たとえば、カンツォーネ(イタリアの歌曲)のような曲も歌うことができるし、ポップスも歌える。私も、さまざまなジャンルの曲が歌い分けられるような歌手になっていきたい。そう思いますね。

彩青(りゅうせい)
2002年生まれ、北海道岩見沢市出身。5歳より民謡、7歳から津軽三味線を始め、11歳で細川たかし氏に師事。2019年『銀次郎 旅がらす』でデビュー。今年4月には『沓掛道中』をリリース。

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