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蝶野正洋『黒の履歴書』~新型コロナ第8波それぞれの対策

蝶野正洋
蝶野正洋 (C)週刊実話Web

冬になり新型コロナウイルスの感染者数が再び増加していて、第8波に入ったといわれている。同時にインフルエンザも流行しそうな気配で、政府やマスコミが注意を呼びかけている。

でも、いまやマスクをつけていない人も増えてきたし、外国人観光客もたくさん入ってきている。もはや自治体が指導するような全体的な対策は難しいだろうから、それぞれが手洗い、うがいを徹底して抵抗力をつけるという基本的な感染対策をするしかない。

俺も、この間ちょっと風邪っぽいなと感じた日があった。こういうときは、昔から薬を飲んで、栄養をつけて、睡眠・休養を取るという基本対策を、とにかく早めにするようにしている。

プロレス巡業はバス移動で密になるし、基本的に団体行動だから、冬場は下手すると風邪がまわっちゃうんだよ。特にシリーズの後半になると、疲れて体力も落ちてくるから余計に危ない。だから早めの対処は、みんなが心がけていた。

あの頃、麻布十番に新日本プロレスの選手たちが行きつけの薬局があってね。漢方薬や栄養ドリンクをそろえていて、こちらの体調や症状に合わせて処方してくれるんだよ。

その薬局の番人が、ヒロ斎藤さん。ヒロさんは、これとこれを合わせると効くとか、いろいろアドバイスしてくれた。精力剤にも詳しくて、そっちのほうでお世話になってるレスラーもいたね(笑)。

コロナも感覚的にそれに近くなっていて、自分なりの対処法を、自己判断でやっていくということが必要なんじゃないかな。

立場で捉え方や対処も違う

病気や疾患というのは、いろいろな見方がある。俺は脊柱管狭窄症で手術をしたときに、医者にもさまざまなタイプがいて、それぞれの立場で病気の捉え方や治療法も違ってくるということを実感した。

まず、手術していただいた外科の先生とリハビリ科の先生で、もう考え方が違う。これをしたほうがいいとか、何をしたらダメということすら、微妙に差があるんだよね。それに加えてペインクリニックという、麻酔による緩和系のケアがあるんだけど、これも治療の方向性が違う。

しかも、派閥ごとにちょっと対立していて、仲が悪いんだよ。それぞれ自分たちの治療法が正しいというイデオロギーがあるし、単純に患者の取り合いをしているのかもしれない。

こうなると、先生の言うことを聞くだけでなく、自分で情報を集めて、自分で判断しないといけない。

この前、扉に頭をぶつけてしまって、額が割れて血がダラダラ出てきてしまったことがあった。それを誰かが見てたら驚くと思うけど、俺は血が出るくらいは慣れてるから慌てなかった。瞬間接着剤でキズを塞ごうかな、とかね。だから何事も対処の仕方が分かっていれば、パニックにならない。

コロナも最初のうちはどんなものか分からなかったから身動きが取れなかった。政府も医者も、とにかく何もするな、ワクチン打って家から出るな、という感じだった。

でも、いまは実際にコロナになった人もたくさんいるし、感染対策に関してもさまざまな経験がある。だから、対処法も人それぞれでいい。自分が持ってる情報と経験があれば、第8波も乗り越えられるはずだよ。

蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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