岸田文雄 (C)週刊実話Web
岸田文雄 (C)週刊実話Web

岸田政権と立憲民主党が共倒れ!? 来年5月崩壊へのカウントダウン…

岸田政権の瓦解が止まらない。すでに3人の閣僚が更迭され、交代したばかりの新閣僚からも、さっそく政治資金をめぐる疑惑が出てきている。岸田文雄首相にも領収書の不備が判明し、政権はまさに火の車だ。


来年5月に広島市で開催されるG7サミット(先進7カ国首脳会議)後に、岸田首相は衆院解散に踏み切るとみられているが、それまで政権がもつのか…。サミットを待たずして退陣に追い込まれる可能性もある。もともと岸田政権は「お友達人事」と批判されていたが、相次ぐ辞任劇はいずれも首相の足元から起きており、任命責任は重大だ。


【関連】岸田政権「辞任ドミノ」どこまで続く!? 岸田おろしせず財務省支配の“増税”策 ほか

政治資金をめぐる問題が次々と発覚した寺田稔前総務相は、首相と同じ広島選出で岸田派(宏池会)所属の側近。また「法相は死刑のはんこを押すときだけトップニュースになる地味な役職」と発言して批判を浴びた葉梨康弘前法相も、岸田派所属だ。


国会で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を追及されて「記憶にない」を連発し、教団トップの韓鶴子総裁と会ったことを「後出し」で認めた山際大志郎前経済再生担当相は、岸田内閣発足の立役者である甘利明前幹事長の側近として知られている。


寺田氏の後任に据えた松本剛明総務相は就任早々、資金管理団体が会場収容人数を超えるパーティー券を販売し、政治資金規正法違反の疑いがあると、よりによって共産党の機関紙『しんぶん赤旗』にスクープされた。自民党の麻生太郎副総裁は大宏池会構想を夢見ているが、松本氏は麻生派(志公会)所属。松本氏の起用が麻生氏に忖度した人事であるのは間違いない。


旧民主党から自民党に移り二階派に所属した山口壯衆院議員は、第1次、第2次岸田政権で環境相を務めたにもかかわらず、同じ移籍組の松本氏は表舞台で活躍できずにいた。そんな松本氏を麻生氏は不憫に思い、日頃から気にかけていたのは有名な話だ。

焦点はやはり広島サミット

旧民主党の流れをくむ立憲民主党(立民)にとって、松本氏は裏切り者。息の根を止める絶好の機会とあって、笑いが止まらないことだろう。立民幹部は「もともと鼻持ちならないやつだ。徹底的に追及して辞任に追い込む」と鼻息は荒い。

政治資金をめぐっては、秋葉賢也復興相に対しても野党は追及を強めている。更迭候補がまだ2人もいるというのは、首相にとって苦々しい状況に違いない。だが、これ以上、閣僚の首を切ると逆に政権がもたなくなる可能性が高い。そこで浮上しているのが、年明け以降の内閣改造だ。


自民党役員人事も合わせて行うとみられ、立民の安住淳国対委員長にやられっぱなしの「パンツ」こと高木毅国対委員長も、交代させられるとの見方は強い。内閣改造したところで支持率が上がるとはとても思えないが、広島サミットで議長国として存在感を発揮し、その余勢を駆って解散に持ち込もうというのが、首相の基本戦略だ。


「ポスト岸田」の有力候補が不在で、野党の支持率も低いというのが首相にとってはラッキーな点。内閣支持率がジリ貧でも、どこかの段階で解散の引き金を引き、反転攻勢に出ることを画策しているのだろう。


一方、その広島サミット後の解散に照準を合わせているのが、立民の枝野幸男前代表だ。


YouTubeで配信した『えだのんTALK』の中で、「衆院選で後悔しているのは、時限的とはいえ消費税減税を言った(ことだ)。政治的に間違いだったと強く反省している。二度と減税を言わないというのは私の確信だ」と語ったことが、党内で波紋を呼んでいる。

新党結成…立憲民主党が分裂か!?

ある閣僚経験者は「旧民主党政権時代のマニフェスト違反を思い出させてしまう」と戸惑いを隠せない。立民は昨年10月の衆院選において、共産党、れいわ新選組、社民党と足並みをそろえて「税率5%への時限的な消費税減税を目指す」と訴え、今年7月の参院選でも同様の主張をしていた。

枝野氏はもともと消費税減税には否定的だったが、代表当時は野党共闘を優先させていた。今回の「消費税減税が間違いだった」発言は、野党共闘からの完全なる決別を意味しており、党内では「立民結党メンバーで新党を結成するのではないか」との見方が出ている。つまりは立民の分裂だ。


広島サミットまで残り約半年。新党を結成するなら、今から準備する必要がある。政党交付金を手に入れるためには、年末に新党を結成しておかなければならない。1月1日時点の国会議員数などを基準に、交付額は算定されるからだ。


昨年の衆院選の際、市民連合運営委員として野党共闘の仲介役をした法政大の山口二郎教授は、ツイッターに「昨年の衆院選で消費税減税を共通政策に入れたが国民に拒絶されたことは、残念ながら認めるしかない。その結果を受けて政策を再検討するのは当然。後生大事に同じ旗を掲げるのは疑問」と投稿しており、早くも枝野氏の「公約破棄」を支持している。


枝野氏に近い蓮舫参院議員は「間違いかどうかは分かりません」としながらも、「国の予算、その財源が決定的に不足している事実から目を背けてはいけないと思います」とツイートし、枝野氏に一定の理解を示している。


来年5月の広島サミットに向け、さまざまな思惑が交錯する永田町。岸田内閣、立民の双方からは立て直しどころか、崩壊の足音しか聞こえてこない。