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JRA重賞『チャンピオンズカップ』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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ついに個人的に連敗脱出! 先週のジャパンカップである。軸扱いのダノンベルーガは直線不利&2400不適のせいか5着に敗れたが、弱気に5頭ボックスにして一応正解だった。ダノンがらみを厚目にしたため、利益率は減少したが、当たりは当たり、プラスはプラスだもの。ホッと一息ついたのが正直なところ。

とはいえ、あまり褒められたものでもない。「ここらで一丁〝川田ここに在り!〟を見せるか」との予想は空振りとなり、「(鞍上C・デムーロは東京の重賞と相性がなぜか悪い、のが少し厭。天皇賞・秋でもこの馬で5着だったし)」と少し軽く見たシャフリヤールが2着に残ったし、「予想で唯一日本人騎手ワンツーの川田、武豊でゴォ~ル! なら好配当で理想だなあ」と欲張ったら、外国人騎乗日本馬でワン・ツー・スリーという正反対の結果で恥をかいた。自慢出来るのは、今年も外国馬は「日本の馬場は不適と見て(エリ女のマジカルラグーンはペケ)全消し」としたのは、やっぱりね、だった。予想各氏の中には、いろいろと理由を付けて、今年こそ外国馬を狙え! と重い印を付けた人もけっこういたけどね。とはいえ、来年も外国馬には出走して欲しい(次も消す?)

ところで、引き続く〝魔の1番人気〟問題だが、今回も勝ったのは3番人気のムーア騎乗ヴェラアズール。1番人気のシャフリヤールは前記のように惜しい2着。GⅠでは連敗継続中だが、GⅢでは直後の京阪杯で1番人気の鮫島駿トウシンマカオが快勝し、重賞連敗記録は12で途絶えた。さて、1番人気と言えば、今週のチャンピオンズカップでは〝不動の本命馬〟テーオーケインズが出陣する。昨年の当レースは楽勝で、連覇もかかる。はてさて、この存在をどう扱うのか、が命題だ。〝魔の1番人気〟の連鎖を今回止めるのは、この馬か? 恐らく単勝は2倍前後の1本かぶりだろう。

重箱の隅をつつくようにして、付け入る隙を探してみると…実は〝鬼門〟の8枠に入ったら蹴るつもりだったが、6枠⑫番ならセーフか。気がかりは、昨年の帝王賞以降、1回置きに好走と凡走を繰り返していること。昨年はJBCクラシックを4着と負け、当レースを勝った。今年はJBCを勝って、ここに臨む。今度は負ける番?

“映画連想馬券”の本命はグロリアムンディ

サッカーでも日本がスペインを撃破したりと〝ジャイアント・キリング(大物食い)〟が続出しているし、大相撲も絶対有利のはずの高安や大関・貴景勝を巴戦で破った平幕の阿炎(あび)が優勝したではないか。そんな番狂わせの可能性も考え、ジャパンカップで功を奏した〝5頭ボックス作戦〟をまず、取り入れようと思っている。おっと、弱気と言うなかれ。慎重なんです。

まあテーオーケインズはご贔屓松山鞍上だし、当然落とせない。怖いのが、ジャパンカップを制したムーアを鞍上に配したグロリアムンディ。宝塚記念経由という超変則の臨戦だが、春のグランプリをひとたたきに使ったとしたら不気味で、〝ムーア・マジック〟の炸裂2週連続、もあり得るか。変則的経由からの挑戦という意味では、シリウスSで馬券を取らせてくれた石川ジュンライトボルトを。中京ダート2千前後がいかにも良さそう。あとはイキの良い3歳勢からはJBC2着で引き続き福永鞍上のクラウンプライド、手が合いそうな武豊に戻るノットゥルノをチョイス。ルメール大将のオーヴェルニュ(侍ブルーの枠だけど)、川田シャマル、横山典ハピなどは穴人気になりそうだが、敢えて消し。それなら幸サンライズホープ、鮫島駿スマッシングハーツ、レーンに乗り替わるバーデンヴァイラーあたりをテーオーから少々行きたい。

さて〝映画連想馬券〟だが、グロリアムンディから『グロリア』(80年)を。その後のヒロイン・アクションの流れを変えたといわれる傑作だ。一家惨殺で唯一生き残った少年の守護神となるアウトロー女の心意気をジーナ・ローランズが熱演。ニューヨーク・オールロケによる大都会の肌ざわり、決して若くないヒロインとこまっしゃくれた少年との掛け合いも絶妙だった。その後、98年に、私のご贔屓だったパツキン女優シャロン・ストーン主演でリメークされたが、オリジナルに遠く及ばず、残念…。

買い目は①⑤⑨⑩⑫ボックス馬連&3連複、⑫から厚目。〝クラウン〟と〝グロリア〟の〝昭和の名車馬券?〟の①⑩も厚目でね(笑)。⑫から②④⑪へ馬連、①⑫及び⑩⑫縛りで②④⑪へ3連複を少し。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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