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『キチヌ』和歌山県和歌山市/新雑賀町産~日本全国☆釣り行脚

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

ブルースな街にブルースなドブあり。いつもお読みいただき、ありがとうございます。今週も日本全国ドブ行脚の時間がやってまいりました。重度のD専(ドブ専)のワタクシ、全国に気になるドブ川はたくさんあります。

今回はその中の1つ、和歌山県は和歌山市を流れます、和歌川にやってまいりました。和歌川というよりは大門川、あるいは新雑賀町、ぶらくり丁と言った方が通りがよいかもしれません。

〝和歌山ブルース〟にも歌われたぶらくり丁や真田堀、現在のソープ街の辺りが今回の釣り場です。あ、決して「こんな所で試しに釣りしてみましたぁ」みたいな軽いノリではなく、ガチで狙っていきますからね。というのも、海からほど近い感潮域(潮の満ち引きにより海水の影響があるエリア)の繁華街を流れるドブ川って、本当によく釣れるんです。

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

さて、大阪なんば駅から南海電車の〝特急サザン〟に揺られ、夕方の和歌山市駅に降り立ち、歩くこと15分ほど。ぶらくり丁に到着です。かつては川沿いに風俗店が立ち並ぶ一大歓楽街でしたが、現在は数軒のソープランドがあるばかり。日没を迎え、薄暗い中、街灯に照らされた水面は妖しく揺らめき、早くも釣れそうなムード満点です。

ハゼに続いてキチヌ好釣

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

こういった場所は、完全に日が沈んでからが勝負となることが多いのですが、「この雰囲気なら、もういけるんとちゃう?」と、リールとセットで1680円の安物竿を2本用意。オモリと糸とハリだけの簡単な仕掛けに、エサのアオイソメを付けて適当に投げ込みます。水深はおよそ1メートルほどと決して深くはありませんが、浅いのは〝ドブ川あるある〟ですから、こんなものでしょう。

ほどなく日没となり竿先に発光体を取り付けて待つことしばし、ブルルンッと元気なアタリが出ました。「おいでなすった」とリールを巻き上げると、ほどよい手応えで釣れたのはマハゼです。

日本全国☆釣り行脚
キチヌ 日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

食べ頃サイズのマハゼではありますが、「もうちょっと大物感のあるヤツがいるハズ…」とリリース。再び仕掛けを投げ入れますが、しばらくはハゼのアタリが続きます。まあ、いずれ違う魚も来るでしょうと釣り続けるうちに、いきなり竿尻が浮く大きなアタリが出ました。慌てて竿を掴んでやりとりに入ると、ハゼとは明らかに違った鋭い手応えです。鋭角的な引きを楽しみながら抜き上げたのは、25センチほどのキチヌ(キビレ)です。「そうそう、コレが釣りたかったんよ。でもちょっと小さいなぁ」とリリースして続行。ワタクシの予想ではキビレ、あるいはクロダイであれば35センチクラスまではいるのではないかと思うんですな。

最後にニョロリスタミナ補填

ところが、20〜25センチクラスのキビレの魚影が予想以上に濃いようで、頻繁に釣れはするもののサイズアップには至りません。警戒心の強い大型はいるはずなのですが、先に若魚がエサを食ってしまうようです。もっとも若魚とはいえ、れっきとした鯛類ですから、安物竿で釣る手応えはなかなかに面白く、時にはやりとりの最中に、隣の竿尻が浮き上がるというダブルヒットも。「今日はこのサイズがいいところかもしれんなぁ」と、頻繁に釣れる中から、晩酌の肴用に1尾をキープ。手応えは十分楽しめましたし、干潮に向けて水位もだいぶ下げてきたことから、ぼちぼち竿を畳むことにします。

ウナギ
ウナギ 日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

1本の竿を片付け、もう1本の竿を上げると上がりません。「根掛かりか?」ゆっくり強く引っ張るとズポッという感覚で抜け、リールを巻くとグングンッ! と力強い手応えが伝わります。キチヌほどシャープな引きではないものの、そこそこの重量感で水面に現れたのはウナギです。5〜8月あたりはウナギも面白そう、と思いながら竿を出していたとはいえ、この時期に釣れるとは少々意外。やはり繁華街のドブ川は侮れません。最近、少々疲れ気味なこともあり、「こりゃいいスタミナ源が手に入ったわい」とキチヌとともに有り難く持ち帰ることにしました。

ウナギの蒲焼(上)、キチヌの塩焼き(下)
ウナギの蒲焼(上)、キチヌの塩焼き(下) 日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

ということで、キチヌは塩焼きに、そして思わぬ拾い物のウナギは蒲焼きにして晩酌です。繁華街のドブ川で釣った獲物ながら、どちらも臭みはそれほどでもなく、特にウナギの蒲焼きはほどよい脂乗りで美味。ビール片手にあっさりと平らげ、これでスタミナ補填完了。早速、秋の夜長の艶系動画鑑賞にいそしませていただくことにします…。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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