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原・巨人来季は不安要素が満載!? 「外野陣大シャッフル」と「WBCの疲労」

東京ドーム
東京ドーム(C)週刊実話

去る11月23日の『ファンフェスタ』で、岡本和真が巨人の新主将に選ばれた。副主将は吉川尚輝、投手陣のキャプテンは戸郷翔征に決まった。前主将の坂本勇人に頼り切っていた状況を「若手」で変えようとしているのだろう。しかし、戦力補強はロートルばかり、新布陣について、不安は増すばかりだ――。

「長野久義の帰還に加え、松田宣浩の入団会見も終わりました。右の代打、外野手を補強ポイントに挙げていたのは本当です。松田のリーダーシップにも期待しています」(スポーツ紙記者)

巨人の原辰徳監督は11月15日に行われた松田の入団会見で、「若手のお手本として、どんなことを期待しているのか?」という質問に対し、

「レギュラーになってもらうことが一番の教育」

と語っていた。

松田も、「とにかく(試合に)出たい。どこでも守る」と拳を握ったが、「どこでも守る」が、現実になりそうなのだ。

「松田がレフトの練習もしている、と。コンバートが幾つかされる予定です」(球界関係者)

坂本を守備負担の多いショートから動かすとの話は、各方面から出ていた。だが実際は、外野陣が大シャッフルされることになりそうだ。

原監督は守備力の高いセンター・丸佳浩をライトに移すプランも公言してきた。しかし、新センターは明かしていない。

「アダム・ウォーカーですよ。打つ方はともかく、守備難と弱肩を以前から指摘されていました。毎日守備練習をしてきたので、少しずつ、上手にはなってきましたが…」(前出・スポーツ紙記者)

外野レギュラー争いに不安も

今季終盤戦、敵地・甲子園球場のスタンドからも「うまくなったなあ〜」の声が聞かれた。その努力は阪神ファンも認めていたが、「センターライン」の野球用語があるように、守備の重要どころだ。あと5年努力しても、丸のレベルには到達しないだろう。

「原監督もウォーカーの努力を認めています。センターの守備だけで言うと、22歳の増田陸がダークホースです。秋季キャンプで外野守備のセンスが認められ、レギュラー争いに割って入るんじゃないかとの声も聞かれました」(同)

松田はソフトバンク時代の2010年に外野を守ったことがある。しかし、それはわずか13試合であり、初心者も同然だ。ここに復帰した長野も絡んでくるはずだが、「レフトが初心者、センターが守備難」では、来季も投手陣の足を引っぱるだけだ。

「ドラフト1位の浅野翔吾、同2位の萩尾匡也も使ってくるでしょう。というより、使わざるを得ません。心配なのが、浅野。高校野球とプロでは外野フライの勢い、伸びが違いすぎます。浅野自身は落下点に入ったと思っても、バンザイなんてことも」(前出・球界関係者)

長野もいるが、広島移籍後に〝弱点〟を露呈している。自身の頭上を超えていく打球に対してだが、レフトの守備だけは苦手なのだ。

いずれにせよ、巨人の外野は不安がいっぱいだが、こんな指摘も聞かれた。

「来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の影響も受けるかも。侍ジャパン入りするのは、岡本、戸郷、大勢だけではなさそうで」(ベテラン記者)

心配されるのは、戸郷だ。戸郷は今季12勝を挙げ、近年は将来のエース候補としてチームを牽引してきた。11月の侍ジャパンの強化試合でもロングリリーフで好投するなど、適応力の高さを見せている。

侍ジャパン招集での消去法…

栗山英樹代表監督も計算に入れており、そうなれば、「WBCの疲労」で開幕ローテーションを外れるかもしれない。

「菅野智之招集の可能性もゼロではありません。最終メンバーが28人から30人に拡大されたので」(同)

戸郷、菅野が開幕ローテから外れるとなれば…。今季、トミー・ジョン手術から復帰した山﨑伊織が「開幕投手」を務める可能性が出てきた。本人の成長ではなく、チーム事情による消去法で…。

「28人から30人に拡大される侍ジャパンのメンバーなんですが、日系人2人、カージナルスのラーズ・ヌートバー、ガーディアンズのスティーブン・クワンの両外野手がエントリーされるかもしれません。ヌートバーは母親が日本人、クワンも母方の親族が山形県にいて、今年のア・リーグ新人王の投票で3位になりました。バッター2人を日系アメリカ人で補強する分、NPBから選出される投手に負担がのしかかりそうです」(同)

投球制限のルールはあるが、戸郷は大車輪の登板となるだろう。

また、栗山監督は菅野の資質を高く評価している。昨年来の不振は「年齢的な衰えではなく蓄積疲労」と見ており、投手陣のまとめ役としても期待しているという。

「WBCの国際球に違和感を持つのは、投手だけではありません。打者陣も思ったよりも飛ばないとし、力が入りすぎてその後に打撃フォームを崩すことも…」(前出・スポーツ紙記者)

岡本も心配なのだ。

今季、143試合に出場した野手は丸だけ。レフトとライトが〝ザル守備〟だった状況を考えると、その疲労具合は相当なものだろう。「レフト松田、センター・ウォーカー」の新布陣が成功したら、打線強化にはなるが、丸の守備負担を増やすことは間違いなさそうだ。

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