
1995年以降、京都芝2400メートルのハンデ戦として開催されてきた伝統の一戦だが、今年は京都競馬場が改修工事に入るため中京芝2200メートルで行われる。3コーナーの山を越え、直線は平坦になる京都外回りに対して、中京は向正面から4コーナーまで下って、直線に急坂があるというコース形態。しかも、京都は右回りで中京は左回りと、その舞台は大きく異なる。コース適性には、例年以上に目を光らせておく必要がありそうだ。
★ヴェロックス
クラシック3戦は、皐月賞2着、ダービー3着、菊花賞3着と好走、世代トップクラスの実力は証明済みのヴェロックス。その後は有馬記念8着、小倉大賞典9着と2戦モタついたが、休養を挟んだ中日新聞杯では3着と復調気配。上がりタイムは33秒9を計時しており、瞬発力も戻ってきている印象を受ける。勝ち星からは2年近く遠ざかっているだけに、今回も他の馬に足をすくわれる可能性はあるものの、ボックス馬券の一員としては欠かせない存在だ。鞍上も引き続き川田騎手なら大崩れはないだろう。
★アドマイヤビルゴ
デビュー2連勝から京都新聞杯4着でダービーは諦めたアドマイヤビルゴ。だが、夏休み明けは3勝クラス、OP特別と2連勝。前走でも、4コーナーで手応えが怪しくなりながら鞍上の叱咤に応えて直線で再度加速して押し切った。まだまだ走りにキャリアの浅さはうかがえるものの、素質馬が軌道に乗ってきたと見てよさそうだ。2走前に中京芝2200メートルのムーライトハンデ(3勝クラス)をクリアしているのはプラス材料で、今回も騎乗予定の武豊騎手とは4戦4勝というのも心強い。同騎手は、今年の初日から3勝をマークし、好調子でもある。
★クラージュゲリエ
3歳春から4歳秋にかけて長期休養があったため、明け5歳ながらまだ8戦しかしていないクラージュゲリエ。皐月賞5着、ダービー6着とクラシックでも健闘し、秋の飛躍が期待されていただけに休養は残念だったが、復帰後は緒戦のカシオペアSこそ10着も、ひと叩きしたアンドロメダSは2着と底力を見せた。京都2歳Sを制し、札幌2歳S、共同通信杯で3着だった休養前の実績を考えれば、ここで好勝負を演じても不思議はない。
サンレイポケット“左回り”と相性抜群!
★ダイワキャグニー
前走の天皇賞・秋は、直線で失速し6着だったダイワキャグニー。ただ、5着まではいずれもGⅠで上位常連の馬たち。それを考えれば健闘と言ってもいい。今回は相手関係が大幅に楽になる。右回りは【0・0・1・3】、左回りは【8・1・2・11】。左回りの戦歴の多くは東京コースでのものだが、中京でも昨年の金鯱賞で3着と好走しており、問題はなさそう。2000メートルを超える距離では、2400メートルで2戦して14着と6着だが、これはいずれもGⅠ(ダービーとジャパンC)。2000メートルまでは勝ち鞍があるので、先行馬が少ない組み合わせでマイペースの競馬ができれば、あと200メートル、踏ん張ってくれるのではないか。
★サンレイポケット
近3走は重賞で③③⑥着と、OP昇格後も堅実な走りを見せているサンレイポケット。2走前の毎日王冠は、勝ったサリオスとは0秒5差、2着のダイワキャグニーとはハナ差。前走のアルゼンチン共和国杯でも好メンバーの中で勝ち馬から0秒4差と食い下がっていた。中京では条件戦での成績ではあるが、2000メートルで2戦2勝。それらも含めて左回りでは【3・1・2・1】と抜群の相性を誇る。ここで重賞初勝利を飾る可能性も十分だ。
ハンデ戦ということで、過去10年の斤量別成績を精査してみると、おおむね重いほうが活躍している傾向が出ている。また、0.5キロ刻みのハンデを課された馬(56.5など)が【2・0・1・2】と好成績。ややオカルトチックではあるが、そういう馬がいれば注目しておいて損はなさそう。
年齢別では、最も若い4歳馬が【8・4・1・20】と4割近い3着内率を記録。以下、年齢を重ねるにつれて成績がダウンし、馬券圏内であるのは6歳まで。7歳以上は【0・0・0・41】と、ベテラン馬は苦戦を強いられている。
騎手では、M・デムーロ騎手が18年パフォーマプロミス、19年グローリーヴェイズと連覇。昨年12月、JRAでは未勝利だった同騎手。相性のいいレースで騎乗機会を得て、スランプ脱出のきっかけにできるか。
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