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ピラミッド、アトランティス、古代核戦争…最新科学で分かった「世界の謎」新常識

AlexAnton
(画像)AlexAnton/Shutterstock

高度な技術を用いて造られた巨大建造物や未来を予見したような伝承など、古代文明には多くの謎が残されている。しかし、連綿と続く科学的なアプローチによって、それらの一端は解明されつつある。神々の足跡とも言うべきミステリーについて、新説、仮説を検証してみた!

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「世界七不思議」の筆頭とも言えるエジプトのピラミッド。誰が何のために、どうやって造ったのかは長年の謎とされてきたが、近年の科学的調査によってさまざまな事実が明らかになってきた。

一般には「王家の墓」と考えられていたピラミッドだが、これには否定的な声が強まっている。例えば世界的に有名なギザの三大ピラミッドの場合、最大の規模を誇るクフ王のピラミッド(高さ146.6メートル)の中には、石棺があるだけで遺体などは見つかっていない。

これについては「遺体や副葬品は盗掘された」と考えられてきたが、数あるピラミッドのほとんどにおいても、王のミイラは発見されていないのだ。

また、クフ王のピラミッドの石棺には装飾やフタがなく、王の石棺としてはあまりに質素すぎる。さらに、有名なツタンカーメンのミイラにしても、ピラミッドとは別の墓所から発見されたものなのである。

そうしたことから近年、ピラミッドは「祭祀のための施設」であったとの説が強まっている。ギザの三大ピラミッドの配置を見ると、オリオン座の中央にある「三つ星」と同じ並びになっており、これが天空の神的なものを具象化した証しだというのだ。

古代エジプト人は電気を利用していた

また、スフィンクス像はもともと2体あったとする仮説があり、この場合には日本の神社で言うところの狛犬のようなものであったと考えられる。

日本を含む世界各地には古代の山岳信仰に由来した遺跡が残っているが、ピラミッドも山に見立てて造られたのではないかとの推察もある。

最新の研究では「発電所説」も持ち上がっている。2018年、ロシア人の研究者により「ギザのピラミッド内部の部屋に電磁波エネルギーが集中していた」とする論文が発表されたことで、これを古代エジプト人が電気を利用していたという論拠にしているのだ。

確かに、古代エジプト文明の発掘物にはメッキ処理されたものがあるといわれ、ピラミッドはこれらに電気メッキを施すための工房だったのかもしれない。

「誰がどうやって造ったのか」については、おおよそのところが判明しつつある。

まず、作業に当たったのは奴隷ではなく雇われた労働者で、報酬として食物や酒などを与えられていたことが分かってきた。これはピラミッド建造に従事した作業者たちが住んでいた集落の遺跡が発見され、その発掘調査により明らかになった事実だ。

また、ナイル川の氾濫によって農地を失った農民に、職を与えるための一種の公共事業だったとする仮説もある。氾濫した河川に巨大ないかだを浮かべ、水の浮力を活用して巨石を運んでいたと考えれば、いろいろとつじつまも合ってくる。

なお、「巨石が寸分違わず積み重ねられている」というのはいくらか誤った認識で、石と石の間は石灰モルタル(洋漆喰)で埋められている。ただし、その石灰モルタルは石よりも強固で、製法についてはいまだに分かっていない。

「宇宙人が造った」との主張も根強くあるが、「宇宙人が造ったにしては雑すぎる」というのが科学的な見方になる。「ピラミッドの角は東西南北を向いていて、その誤差はわずか0.5度」とされるが、宇宙を飛行する際に0.5度も狂っていたなら、地球から月にまですら到着できない。

失われた古代文明は世界各所に存在する!?

星間を移動するほどの科学技術を持った宇宙人が、もしピラミッドを設計したなら、そんな誤差はまず出ないだろう。

現代の人類と同レベルか、もしくはそれ以上の「超古代文明」が存在したという仮説も、長年にわたって論じられている。古代ギリシャの哲学者、プラトンが語ったとされるアトランティスもその1つだ。

プラトンは「ジブラルタル海峡の外側、大西洋に大陸のような巨大な島があり、そこに豊富な資源を持つ帝国があったが、一夜にして海に沈んだ」と、古代ギリシャ以前に栄えた文明の存在を示唆したという。

ただし、これまで「アトランティスの痕跡」と目される遺跡は、大西洋や地中海を中心に1000カ所以上も見つかっているが、どれも「ここがアトランティスだ」と決定づける証拠にまでは至っていない。

だが逆に言えば、それだけ多くの謎めいた古代遺跡が、世界各地に存在するということでもある。

グーグルマップの衛星写真モードでは、海の浅い部分が薄い水色で表示される。そこをつぶさに見ていくと、世界中のあらゆる場所に、人工的に造られたものとしか思えない規則的に並ぶ影のあることが分かる。

日本の海域でも沖縄周辺や青森の日本海側沖150キロといった場所に、古代の巨大遺跡と思しき影が見つかる。地球規模の海面上昇によってこの辺りが沈んだのは、縄文時代(始期は一般に約1万6000年前)以前だと考えられているので、もし海中遺跡が実在するなら、それらが造られたのは縄文以前、つまり旧石器時代のことになる。そう考えるとアトランティスのような失われた超古代文明があったとしても、まったく不思議ではないのだ。

ただし、アトランティスと同じ系統で「かつて太平洋にあったが海に沈んだ」とされるムー大陸に関しては、これまでさまざまな調査が行われてきたものの、大陸が沈んだ痕跡は見つかっていない。そのため、科学的には実在しないという説が有力になっている。

古代戦争を裏付ける遺跡

超古代文明に関しては、「古代核戦争によって滅びた」という説もよく耳にする。現代の核ミサイルを想像すると荒唐無稽に感じるかもしれないが、敵方の都市に何らかの方法でウランを持ち込み、そこで核反応をさせることならあり得なくもない。

アフリカのガボン共和国では、自然のうちに核分裂反応が起きた「天然の原子炉」と呼ばれるウラン鉱床が発見されており、こうしたものを武器に転用したとも考えられるのだ。

古代の核爆発で滅んだといわれているのが、パキスタンにあるインダス文明最大の古代遺跡「モヘンジョダロ」である。同地には一面がガラスのような物質に覆われた地区があり、それが「核爆発による超高温によって溶けてできた」という仮説が存在する。

さらに、ここでは通常の50倍にもなる高濃度の放射能が検出され、核実験の爆心地で発生する「トリニタイト」と呼ばれる物質も発見されたという。ただし、これについてはイギリスの民間研究者が主張しているだけで、現存が確認されていないため「ねつ造」の線が強いようだ。

とはいえ、実際にモヘンジョダロで発掘された遺体のうち46体が突然死と考えられており、その中の9体には「一瞬にして超高温で死に至った痕跡」があることが分かっている。付近に火山などは存在せず、現在も一瞬の超高温の原因は解明されていない。

古代インドの聖典に登場する兵器「インドラの矢」の描写が核爆弾に似ていることも、やはり有史以前に核戦争があった論拠として強く主張されている。

いずれにせよモヘンジョダロの発掘自体が、まだ全体の4分の1ほどしか進んでいないことから、今後の調査で新たな発見があることを期待したい。

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