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JRA重賞『マイルチャンピオンシップ』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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先週のエリザベス女王杯は、「〝牝馬の鉄〟としては、一段と胸も高鳴るし、投資額も〝特GⅠ〟級にブチ込むゾ」と文中で息巻いたものの、結果は惨憺たるモノとなり、忘年会数回分が溶けた。

1着のC・デムーロのジェラルディーナは、押さえていたとはいえ、評価的には4番手がせいぜい。2着同着の2騎、レーンのウインマリリン、M・デムーロのライラックは、「ウイン勢は全消し。他の馬はちょっと難しいのでは…」と結論づけ、恥をかいてしもた。2着同着の2頭は、どちらも7枠。この枠にはもう一頭、幸のアカイイトがいて、こちらは惜しい4着で、印も付けていたが、こうも〝抜ける〟かね。嗚呼、わが本命馬スタニングローズよ、どこ行ったぁ~(泣)、である(結果、14着…トホホホ)。

それにしても、馬券圏内3頭は全部外国人騎手。外国人6人ボックスで楽勝じゃん、と言われればそれまでだが、終わってからなら何でも言える、ってか。まあ、こうやって毎回のように反省会をしているような気がするが、負けた事実を次回で書き記すコラムは実は少ない。週刊誌で言えば、週刊実話さんの馬券対決であり、夕刊紙では日刊ゲンダイの塩崎利雄氏の『止まり木ブルース』(私はもう何十年も愛読中の大ファン!)であり…と数えるほど。あとはだいたい、負けたことなど記憶にございません、だもの。そういう意味では、このコラム、まだ正直、割と誠実、とお許し頂ければ幸いです。

というわけで、マイルCS。何せ先週、〝特GⅠ〟級にブチ込んだので、資金温存に走らざるを得ない。何しろ来週は、ジャパンカップだもの。今週はGⅠとはいえ、投入額は、GⅡ程度で押さえたい。このあたりの〝引く勇気〟(ビビリ、ヘタレとも言うが)は、ダテに約50年馬券で苦労していないのよ、と自分を褒めたい。

“映画連想馬券”の本命はシュネルマイスター

おそらく1番人気は〝アイドル性〟に加え、芝マイルは4戦4勝の吉田隼ソダシだろう。ただ、勝ったマイルはすべて牝馬限定。歴戦の牡馬に混じってはどうか? それにステップが、このレースとは縁が薄い府中牝馬Sというのも気に入らない。近年はムラ駆け傾向だし、と重箱の隅をつついて、大胆に〝ソダシ切り〟と行こう。これでステキに勝たれたら、ボクの目が節穴でした、と素直に〝白毛のアイドルホース〟に、ちゃんと翌週陳謝する覚悟はあるゾ。

そこで、本命はルメール大将のシュネルマイスター。こちらも近走ムラ駆け傾向だが、今度は走る番? 前走のスプリンターSへの挑戦、結果9着は余計だが(私はこの時軽視した)、負けを承知のたたき台と思えば納得か。あとは〝今年こそ〟で、鞍上ムーアのサリオス、こちらも外国人騎手レーンに乗り替わるセリフォス、日本人騎手ではご贔屓・松山ソウルラッシュを抜擢し、この4頭をまず。外国人騎手でワン・ツー・スリー、簡単じゃん? 柳の下に2匹目のドジョウがいたりして? あとは相性が良い毎日王冠組で福永ジャスティンカフェ、同様に富士S組では川田ダノンスコーピオン、別路線だが、唯一のディープインパクト産駒出走となる堅実無比の池添ファルコニアあたりまでか。

さて〝映画連想馬券〟だが、シュネルマイスターのマイスターには〝達人〟〝職人〟の意味がある。というわけで、ややこじつけめくが、映画の職人として長年撮り続け、先日急逝した大森一樹監督作品から選びたい。彼とは同い年であり、実はお互い学生同士の頃から知己のあったほぼ唯一の監督でもあり、今回の訃報が残念でならない。思わず落涙したほど。そんな彼の作品で最も有名な1本は『ヒポクラテスたち』(80年)だろうが、アイドル映画や怪獣映画も数多く撮っている。中でも愛着がわくのが、当時、新人アイドルだった吉川晃司主演の『すかんぴんウォーク』(84年)は、ショービズ界での栄枯盛衰を描いてヒットした。以後設定を変え、吉川主演で主人公〝民川裕司もの〟として『ユー・ガッタ・チャンス』(86年)、『テイク・イット・イージー』(86年)と三部作を形成し、大森監督の商業映画の職人ぶりが遺憾なく発揮されていた。懐かしい。

さて買い目は、④⑤⑩⑪の馬連&3連複ボックス。④からと⑪から⑦⑮⑰へ馬連。④⑦、④⑮、④⑰縛りで⑤⑩⑪へ3連複を。さて、ソダシ切りが功を奏するか、それとも恥の上塗りか?

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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