門松みゆき (C)週刊実話Web
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『令和の“応演歌”』門松みゆき~苦節10年・日本の誰もが知っている演歌歌手を目指して(後編)

――前編では、2歳で演歌に目覚め、藤竜之介氏の内弟子としての生活がスタートするまでを聞きました。いまの時代、内弟子からデビューするのは珍しいと思うのですが、デビューまでの道のりとは?


門松 珍しいかもしれませんね。高校を卒業し、藤先生の内弟子として、先生のご自宅近くに住み、朝食をご一緒する日々でした。日中はレッスンを受けつつ、先生の奥様が営んでいるカラオケ喫茶のお手伝いをするんです。お店では、昼と夜にショータイムの時間があり、各回1曲ずつお客様の前で歌を披露していました。また、先生の付き人として現場に同行し、ヘアメイクや音源編集などもしましたね。カラオケのガイドボーカルのお仕事もさせていただきました。


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並行して、オーディションを受けたり、レコード会社の方に曲を聴いてもらったりしていましたが、デビューが決まらず、内弟子になり10年目を迎え、歌手デビューするのは難しいのかなと考え始めてもいました。そんなときに転機が訪れたんです。お世話になっている方から、会食に誘っていただいたんですね。カラオケのあるお店だったので歌ったんです。


1週間後、「同じ会食があるからもう一度歌ってね」と言われて。参加するとレコード会社さんや現在所属している事務所の方がいらっしゃって、デビューが決まったことを知らされました。それまでの10年間、なかなかデビューが決まらなかったのに、こうも簡単に決まるのかと信じられませんでした。

念願のデビュー曲は歌っていて心地良い

――幼い頃からの夢が叶い、2019年に『みちのく望郷歌』でデビューするわけですね。

門松 会食から約半年後のデビューでした。当時は、手の掛からない新人だったようです。内弟子の経験が生きたんです。メイクも自分でできますし、段取りもある程度分かる。相手が何を求めているのかも察してしまうんですね。ステージに立つと、カラオケ喫茶で毎日歌っていたので、お客様の様子が冷静に見て取れることもありますね。


ただ、弟子として支える側と出役では立場が全く違うのも痛感しています。ステージに立てば、裏で何が起ころうとすべては私の責任なのを強く感じます。


――今年5月には『彼岸花咲いて』をリリースしました。どんな曲ですか?


門松 突然、姿が消えた男性を健気に追いかけるスケール感のある王道の演歌バラードに仕上がっています。歌詞も「夜汽車」や「手紙を綴る」など、あえて現在は使わない言葉を使っているんです。石原信一先生の詞を先にいただき、すぐに蔦将包先生に作曲してもらいました。念願が叶いましたね。自分でも歌っていて心地良いんです。


――まだ29歳とお若いですが、今後、長期にわたって活躍する上でどんな歌手を目指していますか?


門松 演歌に目覚めた北島三郎さん、また細川たかしさんのように老若男女、日本の誰もが知っている演歌歌手を目指しています。お二方とも舞台にしてもエンターテインメント性があり、決してお客様を飽きさせることがないじゃないですか。そういう演歌を歌いたいし、舞台を作り上げたいですね。幼いときに感じた感動を、今度は私が若い世代に感じてもらえるように精進していきたいと思っています。
門松みゆき(かどまつ・みゆき) 1993年、神奈川県小田原市生まれ。2歳で演歌に目覚め、16歳で藤竜之介氏に師事。特技はダンス、津軽三味線、トロンボーン。2019年『みちのく望郷歌』でデビュー。今年5月『彼岸花咲いて』をリリース。