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巨人・菅野智之“8億円残留”で球団金庫がパンク寸前…緊縮財政へ

プロ野球各球団の決算は、毎年、官報で公表される。親会社が上場企業の球団は、ディスクロージャー(企業の情報開示)が義務付けられているからだ。株主は球団経営が親会社の経営に影響を及ぼしていないか、常に目を光らせている。

しかし、巨人(読売新聞グループ本社)と中日(中日新聞社)だけは親会社が未上場のため非公表。このため、巨人の収益は明らかにされていないが、事情通は「巨人の黒字額はソフトバンクの約2倍、売り上げ総額は阪神と同程度」と明かす。これを、19年度のソフトバンクと阪神の決算額に当てはめると、一昨年度の巨人の収益は約7億円程度となる。

同年度は選手年俸の総額が52億円、東京ドームの使用料が年間20億円。これに諸経費を差し引くと、純利益は例年そんなものと計算できるが、昨年、新型コロナウイルスの感染拡大で、状況が一変。各球団とも収益の大部分はチケット代が占めるため、昨季は試合数が143試合から120試合に減ったうえ、大規模な入場制限もあって、巨人の主催試合の観客数は前年の302万7682人からの49万2526人と84%減少した。

「1試合のチケット代を3000円とすると、約91億円あったチケットの売り上げが約76億円減少して約15億円。ネット中継のDAZNとの契約金が20億円あり、これで50億円程度の赤字で済むが、今季も同じような状況が続けば、内部留保金も底がつくはず。他球団は自前の球場を持ち、選手年俸を抑えているから持続も可能だが、コロナの影響をモロに受ける巨人の財政は、ファンが思うほど磐石ではない」(前出・デスク)

2年連続ソフトバンクに4連敗の悪影響が…

チーム編成権も握る原監督は、菅野のメジャー転身の穴埋めに横浜DeNAからFAした梶谷隆幸(4年8億円)と井納翔一(2年2億円)を獲得。これだけでは不安なのか、ここに来てメジャー通算196本塁打のJ・スモーク(2年6億3000万円)と、メジャーで96発、韓国で124発を放ったE・テームズ(1年1億2500万円)と契約を締結した。

しかし、その直後に菅野の巨人残留が決まり、一転して危機に…。

「今季もコロナが収束しなければ、『財政基盤を安定させるためにも、東京ドームを共同で運営する三井不動産による資本投入も必要では…』という過激な意見がグループ内から出始めている」(同)

日本シリーズで2年続けてソフトバンクに4連敗したことで、セ・リーグの評価が下がり、菅野のメジャー転身が消滅…。その余波が巨人に重くのしかかる。

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