
『ズーム 見えない参加者』
監督・脚本/ロブ・サヴェッジ
出演/ヘイリー・ビショップ、ジェマ・ムーア、エマ・ルイーズ・ウェッブ、ラディーナ・ドランドヴァ、キャロライン・ウォード、エドワード・リナード
配給/ツイン
今年もよろしくお願い致します! 皆さまは、どんなお正月でしたか? 少しでも身体と心がハッピーになってたら嬉しいです。まだまだ世の中は落ち着く気配ではありませんが、大切な人に気兼ねなく会える日が来ることを信じています。
延期された大作映画の公開を待ち望む今年、私が紹介したいのは『ズーム/見えない参加者』です。去年はZoom(ズーム)が大活躍しました。仕事でのリモート打ち合わせや会議に一役買ったのはもちろんのこと、プライベートでもオンライン飲み会などを実践した人も多いのでは?
この作品に出てくる若者たちは、単なるZoom飲み会では満足せず、もっと刺激的な体験をしたくて〝集まりました〟。そう、死者と会話をする交霊会を企画したんです。しかも、不謹慎にも、お酒を飲みながら和気あいあいと…です。私は最初から〝そんなことよせばいいのに~〟と、嫌な予感しかしませんでした。
6人の男女がZoomを通して霊を呼び寄せるのですが、もし、それが悪霊だったら…。集まった若者たちの中には、霊の存在など信じていなかったり、真面目に向き合わない若者ばかり。いつものリモート飲み会のノリで、かなり軽いテンションでスタートするのですが、怖いことがそれぞれの部屋で起こり始めて状況が一転、パニックに陥ります。ホラー映画って、怖い瞬間よりも、怖い予感の方が魅了してくれますよね。
自分がZoom参加者の1人になっているような感覚…
また、Zoomならではの映像手法も恐怖感をアップ。画面が固定されている状態なので、主人公を見るというより、部屋を見回してる時間の方が怖い予感がどんどん増してくるので、見終わってグッタリです。
本編はたったの68分ですが、これにはちゃんとした意味があるんです。短い時間の間に伝えたいメッセージもあって、すべてが上手にまとまっています。
この映画のアイデアは、もちろんコロナ禍から生まれたもの。コロナ前に制作されたパソコンの画面上で展開された『search/サーチ』と、私が大興奮したサイコスリラー作品『透明人間』を合わせたものに、ちょっと手作り感を足した雰囲気が、まさにこの映画です。一度も会わずに製作されたことも驚きですが、本編の後に流れる映像も驚きでした!
最後の最後まで不思議な世界が繰り広げられるこの1本。感覚的には、まるで自分がこのZoomの参加者の1人になっているよう。
刺激的な1年のスタートを味わいたいあなたに、オススメです!
LiLiCo
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。
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