
最強女子プロレスラー・アジャコングインタビュー〜「ブルさんが飛んできたときは“死んだ”って思いました」〜
アジャコングといえば、あまりプロレスになじみがない人でも、テレビや雑誌でその姿を見たことがあるだろう。選手生活36年を迎えた心優しき最強女子プロレスラーに、現在の活動からプライベートまでさまざまな話を聞いた。
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――アジャさんが女子プロレスに入るきっかけからうかがいます。
アジャコング(以下、アジャ)「私が10代の頃はクラッシュギャルズ(長与千種とライオネス飛鳥によるタッグチーム)の全盛期で、最初は試合を見に行ったのがきっかけです」
――クラッシュギャルズを見て、自分もリングに上がりたいと思ったのですか?
アジャ「子供の頃からプロレスはよく見ていたのですが、プロレスは見るものであってもやるものではないと思っていました。あんなに痛そうなこと、自分には絶対無理だって(笑)。でも、クラッシュギャルズに憧れて、入門すればそばにいてずっと見ていられるかなと考えたんです」
――実際に入門していかがでした?
アジャ「オーディションに受かって長与さんにも『これから頑張ってね』と声をかけていただいたりして、これでクラッシュギャルズをいつでも見られると思っていたら、新人は雑用などやることが多いし、忙しくてそばで見ているどころじゃなかったですね。私もすぐに〝こりゃ思ってたのと違うぞ〟って(笑)」
――アジャさんはその後、ヒール(悪玉)として極悪同盟に入りましたが…。
アジャ「プロデビューして3カ月ほどした頃、会社から極悪同盟に入れと言われたんです。まだ私も16歳でしたから、クラッシュギャルズと一緒にベビーフェイス(善玉)で活躍したかったのに、敵対する真逆のヒールなんて〝ああ、私の人生もう終わった!〟とショックでしたよ。あの頃は毎日泣いていて、もしかしたら目立たずやっていれば、(団体から)この子はヒールに向かないと思ってもらえて、いずれベビーになれると信じていました」
「笑っちゃダメなら仕事振るなよ」
――でも、それからヒールとしてめきめき頭角を現していきましたね。アジャ「ヒールというものをよく分からずにやっていたんですけど、19歳のときに母が亡くなって、自分ひとりで生きていかねばならなくなりました。ちょうどそのとき、男子の団体にゲストとして呼ばれて参戦したんです。そしたらすごく受けて、そこで〝ヒールでもきちんとしたプロレスをやれば、お客さんに応援してもらえるんだ〟と分かって、それからプロレスが面白くなってきました。勝つために手段を選ばず試合をしていく。自分はこれで生きていくしかないと、腹をくくったら周りも応援してくれるようになりました」
――普段から、ヒールのアジャコングとして生きていく覚悟でしたか?
アジャ「普段は今でもヒールの感覚はないです。ヒールになった当初、テレビのお笑い番組に出演したことがあって、会社からは『おまえはヒールなんだから一切笑うな。ダンプ松本さんはそうしてきたから』と言われました。でも、お笑いの方は人を笑わせるために一生懸命やっていて、だから私も笑いたいときは笑うので、『自分はヒールとかではなく、アジャコングとして出演します』と言ったんです。笑っちゃダメならお笑い番組の仕事を振るなよってことですよね(笑)。その頃から自分は、いわば男子プロレスの日本に来た外国人選手のような立ち位置でしたね」
――ブル中野さんとの抗争は今でも語り草ですが、1990年11月14日に行われた金網デスマッチ(横浜文化体育館)は、ブルさんが高さ4メートルもある金網ゲージの頂上からギロチンドロップを敢行し、またそれをアジャさんが受けきったことで伝説となっています。
アジャ「あの試合がなかったら、今のアジャコングはなかったかもしれません。それほど自分の中でもインパクトのあった試合ですね。ただ、いろいろな方に『プロレス史に残る』と言っていただくのですが、自分では〝そんなにすごい試合をしたのかなぁ〟と今でも不思議な感覚です」
立体的に進化した金網デスマッチ
――まず、同年9月1日に最初の金網デスマッチ(埼玉・大宮スケートセンター)を行っていますね。アジャ「女子プロレス界で初の金網デスマッチでしたが、何も分からないまま試合に挑みました。1回目はレフェリーを置いて、当時、最強といわれたブルさんにどんな形であれ勝ったんです。でも、その負けでブルさんに火がついて2回目の金網デスマッチとなったんですが、レフェリーもいない、本当に生きるか死ぬかの闘いでした。あの金網のてっぺんから飛んだのは、男女含めてブルさんが初めてだったんですよ。ブルさんが飛んできたときは『死んだ!』って思いました。気がついたら『あ、生きてる! でも、負けたんだ』って。あの試合がきっかけで、金網デスマッチが立体的に進化しましたね」
――デスマッチの先駆けですね。今では若い選手たちがハードな試合をやっていますが、先輩としてどうですか?
アジャ「今の選手たちはすごいことをやっているなと思います。恐ろしくて近づけない(笑)。もうできないですね」
――でも、アジャさんはプラズマ爆破デスマッチをやっていますよね。
アジャ「プラズマ爆破をやっているのは『超花火プロレス』というブランドで、社長兼選手として所属しています。『OZアカデミー女子プロレス』との兼任ですが、あれは火花がすごくて火傷との闘いですよ。やっているほうは必死です。ゲーム感覚と緊張感があって、見ても楽しめると思いますし、この超花火をやりたいと手を上げてくれる若い女子選手も多いんです」
――コロナ禍でプロレスの試合も自粛を強いられ、大変だったと思いますが…。
アジャ「試合も軒並み中止になりましたが、私は意外と引きこもりなので、外出自粛で家にいることになっても、〝お上がそうしろ言うんだから、喜んで!〟って感じでした(笑)。ずっと家にいられるなんて幸せですよ。昔は試合で年間3分の2は地方を回っていたので、今は家にいることが大好きです。だから、私のプライベートなんてクッソつまんないですよ(笑)」
――レスラー仲間と飲みに行くことはありますか?
アジャ「引きこもりなんで(笑)、最近はあまり外で遊ぶことはないですね。後輩から『ご飯食べに連れてってください』と言われれば行きますけど、わざわざ先輩風を吹かせるのは嫌なんで、自分から誘うことはあまりないですね。気を使ったり、気を使わせたりするのも嫌なんです」
プロレスに興味を持って実際に見てほしい
――アジャさんは、ワハハ本舗(柴田理恵、久本雅美らが所属する劇団兼芸能事務所)所属なんですね。アジャ「以前の事務所で私を担当していたマネジャーが、バラエティーをやるために事務所を移籍することになり、そのとき一緒に移りました。今の活動はプロレスがメインなので、舞台などには時間的に迷惑をかけてしまうため、なかなか出演できません。でも、ゲストとして舞台に立たせていただいたときは、リングと違って楽しいですね。プロレスを見るきっかけになれば、とも思います」
――OZアカデミーのマットでは『獣友(ケモトモ)』というユニットを組んで活躍しています。
アジャ「いいユニットです。松本浩代、米山香織、優宇というユニークで個性が強いメンバーですが、それぞれ自然体で、制限がないのでユニットに縛られることはない。みんな他でも大活躍していて、今までで一番居心地のいいユニットだと思います」
――後輩たちについてどう思いますか?
アジャ「今の子たちはすごいと思いますよ。アイドルや女優から女子プロレスラーになっても、やることはちゃんとしています。一生懸命やって技術を身に付け、科学に基づいた体作りをしていますね」
――試合のクオリティーも高いですね。
アジャ「女子プロレス界も新たなステージに来ています。日本の試合内容は欧米と比べても上をいっているし、だから今、海外からのオファーが多く来ているんだと思います」
――アジャさんは許容範囲が広いというか、先進的な考えを持っていますね。
アジャ「昔の根性論とは違って、プロレスとはこうあるべきという時代ではないんです。今はマニアックな層だけでなく、その外側のライトな層や、若い世代が面白いと思うものでないと広まらない。だから、私も舞台などに出演しているし、人寄せパンダでも構わないから、アジャを見てプロレスに興味持ってもらって、実際に見に来てもらえればうれしいですね」
――最後に、読者に向けて一言お願いします。
アジャ「女子でも男子でもいいので、1回プロレスを見に来てください! そこから何か琴線に触れるもの、選手がいるかもしれません。見ておかないと世界に取り残されるよ!」
◆アジャコング 1970年9月25日生まれ。東京都立川市出身。中学卒業後、全日本女子プロレスに入門し、1986年9月16日デビュー。身長165センチ、体重103キロ。得意技は裏拳、垂直落下式ブレーンバスター、ダイビングエルボードロップ。
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