「感染力が強い南アフリカ発症の変異株はサイトカインストームにより、若年世代への致死力が高まっているとされます。『サイトカイン』は主に免疫系細胞から分泌されるタンパク質で、『サイトカインストーム』とは、細胞が暴走してサイトカインの分泌のコントロールができなくなり、過剰に戦い続けてしまうのです。この状態ではウイルスだけでなく、自分自身の細胞までも傷つけてしまうため、さらに過剰な炎症が起こり、多臓器不全に陥ってしまうわけです」(外岡氏)
サイトカインストームは、1918年から1919年にかけ世界で猛威を振るったスペイン風邪でも吹き荒れた。スペイン風邪は世界で5000万人とも言われる犠牲者を出した恐怖の感染症。インフルエンザウイルスが引き起こすサイトカインストームが、若年成人の強い免疫システムを破壊して死亡率を引き上げたとされる。ちなみに、死亡した半数は20~40歳だった。
「1カ月程度で感染者数を減らすのは困難」
「感染力が強い南アフリカの変異株がサイトカインストームにより、若年世代への致死力が高まっているとしたら、新型コロナが『21世紀のスペイン風邪』となる可能性も示唆されるわけです。まさに『21世紀の死のコロナ風邪』です。世界のトップ科学者はすでにこの変異株が広がったときの対策を立てています。心配される点は、ウイルス感染後、サイトカインの嵐が体内で発生するまでの期間が短いこと。ひょっとすると、ワクチンは効かないかもしれない」(外岡氏)
緊急事態宣言の期間は1月8日~2月7日まで。専門家の間では「政府が想定する1カ月程度の期間で感染者数を減らすのは困難」との見方が支配的だ。飲食店の営業時間短縮だけでは不十分で、人との接触を削減するため、移動制限など、より強い対策を求める声もある。
「新型コロナが歴史に残るパンデミックになるのは間違いありません。専門家の間には今年秋頃には終息するとの見方もある。ワクチンが効けばいいが、そうならなかった場合、終息には2、3年かかるのではないか」(外岡氏)
新型コロナの第4波、第5波が待ち構えている。
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