そえんじ (C)週刊実話Web
そえんじ (C)週刊実話Web

『令和の“応演歌”』そえんじ~洋七さんと合作のドキュメンタリーCD(後編)

――前編では2014年に中学生時代から憧れていた島田洋七さんと、ついに直接会うまでを聞きました。その後、すぐに交流は始まったんですか?


そえんじ そうではないんです。しばらくしてからですね。2020年当時、僕はラジオ関西でレギュラー番組を持っていたんです。コロナ禍で僕もライブができず、ラジオ以外の仕事がなくなってしまった。なんとかゲストには憧れの方に電話出演して頂こうと、出演依頼していたんですよ。


【関連】『令和の“応演歌”』そえんじ~島田洋七さんに弟子入りできず歌の世界へ(前編) ほか

そこで、憧れの洋七さんがKBCラジオ(福岡県)で出演している『島田洋七の朝から言わせろ!』に出演依頼の投書を出したんです。そうしたら、番組内で読まれて「コロナだから関西へ行かれへんけど、電話だったらエエぞ」と引き受けてくれたんです。その後、僕の番組に電話でゲスト出演して頂きました。


その年の夏、お中元を洋七さんへ送ったら、ご本人から直接電話が掛かってきて「お前はしっかりしとんな。何かあればまた言えよ」と優しい言葉を掛けてもらった。お言葉に甘えて、FM大阪の番組にも出てもらいました。翌年もお中元を送ると『がばいばあちゃん名言日めくり』カレンダーの格言を基に、洋七さんが詞を書くから曲を作ってくれないかという仕事の話をもらったんですね。


一番憧れている方からのまさかのお話だったので、時間を掛けると僕の性格上ビビって作れないと思い「1週間で作ります」と即答しました。1週間後に電話して曲ができたことを報告したんですけど、ここでもコロナで直接会うことは叶わなかったんです。

CDにはトークが23分も収録!?

――洋七さんにしても、生で曲を聴いてみたいはずですよね。それは実現したんですか?

そえんじ 一昨年末に、博多の中洲で一緒にご飯を食べさせてもらう機会がありました。一番の憧れの人を前に、緊張しすぎた僕を見た洋七さんは「なに緊張しとんねん。早う食べ」と言って、よそってくれた。黙々と食べてましたね。


帰り際、洋七さんがタクシー代として1万円を手渡そうとしたんです。ご飯を一緒に食べられただけでも夢のようだったので、お断りしました。すると、ほかにご一緒した方を「こいつならぶんどってるぞ」。周囲を笑わせながら、いつの間にか僕のポケットに1万円を入れてくれていました。なんて優しい人なんだと思いましたよ。


翌日、洋七さんのご自宅にお邪魔して、ご本人の前で初めて歌を披露しました。しかも、その後、僕のばあちゃんの家まで来てくれて挨拶してくれたんです。僕のおばあちゃんは、洋七さんと同じく佐賀県で一人暮らしをしているんですよ。年に2回は必ず遊びに行っていたんですが、コロナで自粛していたんです。洋七さんはどこまで優しい人なのかと、翌日、思い出して1人で泣きました。


――そうして誕生したのが今回のCDですね。


そえんじ そうです。洋七さんが作詞し、作曲と歌を僕が担当しているのが2曲。洋七さんのトークが23分。2曲に加え、それぞれのカラオケを足しても、洋七さんのトークより短いんです(笑)。洋七さんの人生と、洋七さんの弟子になりたかった僕の人生が合わさったドキュメンタリーCDのように出来上がったので、ぜひ聴いてみてください。
そえんじ 兵庫県加古川市出身。トークソングライター。FM大阪『そえんじの音楽DOH!』に出演中。9月23日、洋七コラボCD『優しい言葉の中にも』をリリース。YouTubeで「洋七コラボCD」で検索すると、歌とトークを聴くことができる。